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第 0352 話

瀬川秋辞は、まるで綱引きの中央に結ばれた赤い布のように、自分が二人に引っ張られているように感じた。「あなたたち、まだ子供なの?いい加減に放して」

根本煜城は性格が温和で、子供の頃から両親の付き合い方を見て育ったため、尊重と礼儀が身に染みついていた。瀬川秋辞がそう言うと、彼は反射的に手を放そうとしたが、薄野荆州が全く放す気配がないのを見て、我慢して手を離さなかった。

瀬川秋辞は厳しい表情で言った。「まだ放さないなら、二人ともここから出て行って」

そう言ってから、彼女はここが根本家だということに気づいた。出て行くなら、自分のほうだと悟った。。根本煜城という主人を追い出すなんてあり得なかったのだ。

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