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第226話

「あなたたちが子供に恵まれず、子孫繁栄しないことを祝福しようか?」

紗希は冷たく口を開いた。

「詩織、小細工をやめて」

彼女はその言葉を言い残して背を向け、去ろうとした。

「紗希、あなたは惨めに逃げるつもりなの?確かに、この現実はあなたにとってとても残酷だわ。私が持ってきたこの花々は、あなたの一年分の給料よりも高価なのよ。これが私たちの差だよ!」

紗希は振り返り、平静な目で言った。

「あなたが私にデザインを続けてほしいなら構わないわ。でも、私がそこに細工をして、あなたを死なせてしまうかもしれないのに恐れないの?」

彼女がそう言うと、詩織の顔色が変わった。

最終的に詩織は強気な様子で言った。

「紗希、あなたにそんなことはできないわ!あなたが玲奈に対してそんな小細工を使えたからといって、私も玲奈のように愚かだと思わないで」

紗希は皮肉っぽく笑った。

「試してみればいいわ。どうせあなたは私にいい思いさせたくないんでしょ。だったら、みんなで気分悪くなりましょう!」

詩織は歯を食いしばった。

「あなたがそんなことをすれば、スタジオも責任を負うことになるわ!それに、あなたは今日ここへ来るまで、私が注文したことを知らなかったはずよ。細工なんてできないはず」

紗希と詩織は犬猿の仲であったが、紗希にはそれなりの職業信念というものがあった。

紗希は冷ややかに口角を上げた。

「実は、この婚約式のデザインにはまだいくつかの安全上の小さな問題があるの。さっき私が来たときに、処理されていないのを見たわ。言おうと思っていたんだけど、婚約するのがあなたたちなら、なんでもいいわ。あの世で夫婦になるのも悪くないでしょう」

その言葉を聞くと、詩織の表情が険しくなった。

紗希は口角を少し上げ、さっさと立ち去った。

詩織が自分を苛立たせようとしてきたのなら、仕返しをしてやる。

明日は詩織と拓海の婚約パーティーだ。

今からデザインと会場を変更するのは間に合わない。

だが、詩織は婚約パーティーの会場の装飾を見るたびに、どこに安全上の問題があるのかを考えずにはいられないだろう。

やっとスッキリした。

紗希は大股でその場を離れ、携帯を取り出して風間にメッセージを送った。

「先輩、家に少し用事ができたので先に帰ります。婚約パーティーの会場のデザインはほぼ完成しているの
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