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第4話

一晩中悪夢に悩まされ、よく眠れなかった健二は、寝不足のまま職場に向かった。

受付の研修生が一つのプレゼント袋を彼に手渡した。

健二は疑問を抱きながら、目の前に差し出された水色のギフトラッピングに包まれたプレゼントを受け取った。

「これは奥様へのプレゼントです。先日、ショッピングモールで奥様がこのブランドの哺乳瓶を欲しがっていたんですけど、あの時は売り切れていだんです。昨日在庫があったので、買っておきました。赤ちゃんの出生祝いです!」

研修生の言葉を聞いて、私は思い出した。先週、私はショッピングモールで母子用品を買おうとしていた。ちょうどその時、この研修生の女性に会ったのだ。

彼女は甥っ子に贈るプレゼントを選んでいて、私が母子用品を選んでいるのを見て、彼女の義姉が作ったリストを私にシェアしてくれた。

健二が私のために母子用品を買ってくれるとは思えなかったので、まだ自分が動けるうちに、自分で必要なものを揃えておこうと思っていた。

健二はプレゼントを受け取り、実験室へ向かいながら、研修生の言葉が頭の中で何度も響いていた。

「哺乳瓶? 出生祝い?何のことだ」

彼はスマホを取り出して、メッセージが来ていないか確認した。しかし、私からの返信はまだなかった。

彼はこれが何かの誤解だと考えた。きっと私が誰か他の人へのプレゼントを買おうとしていたのだろうと。

しかし、考えれば考えるほど、最近身近で赤ちゃんが生まれそうな友人や親戚の顔が浮かばなかった。

健二は私に電話をかけようと思ったが、その時、宅配便の配達員から電話がかかってきた。

「ご自宅にいらっしゃいますか?大きな荷物がいくつか玄関に置いてきました」

「何の荷物だ?」

健二は思わず尋ねた。

「ベビーベッドにベビー用の洗濯機、全部赤ちゃん用品です。奥さんがこの半月でたくさんの母子用品を注文されていました。おめでとうございます!もうすぐ赤ちゃんが生まれるんですね」

配達員の言葉を聞いて、健二の頭は一瞬真っ白になった。

自分が父親になるなんて……

窓の外を見つめ、気持ちを落ち着かせようとした後、再びマホを手に取り、私に電話をかけようとした。

だが、振り返ると、棚に置かれた瓶が目に入った。

その瞬間、彼は思い出した。あの日の死体の腹にも、胎児がいたことを。

突然、健二の全身が寒気に襲われ、体が
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