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第421話

とわこは首を振り、「外を少し歩きたいの」と言った。

「もし足が痛くなったら、無理しないで俺に言えよ」とマイクは注意を促した。

「分かってるわ」と彼女は答えた。

「とわこ、最初からこんなに面倒なことが起こるって分かってたら、帰国させなかったよ」マイクは彼女を車に乗せながら、「アメリカにいた時は、何もかも順調だったし、君のことで心配したことなんて一度もなかった。ところが故国に戻った途端、毎日君に頭を悩まされてばかりだよ」と嘆いた。

とわこは申し訳なさそうに、「なら、アメリカに帰ったら?」と提案した。

「そんな意味じゃないよ!」

「分かってるわ。ただ、国内の仕事なら私一人でなんとかなると思うの。だから、あなたはアメリカに戻ったほうがいいんじゃない?」

「君も一緒に戻るならね」

「私は帰らない。故国の方が好きなの」

マイクは鼻で笑って、「じゃあ俺も行かないよ。君がいるなら、俺もここにいる」と言った。

「本当は子遠が恋しいんじゃない?」ととわこが冗談を言った。

「なんで急にあいつの話をするんだよ?あいつ、俺の連絡先をブロックしたんだぜ」マイクはアクセルを強く踏み込んで車を走らせた。「あのクソ野郎、彼の頭の中には上司しかいない」

とわこは謝りながら、「ごめんなさい!」とつぶやいた。

「なんで君が謝るんだ?君がいなくても、俺たちはいずれこうなってたさ!あいつがいつまでも上司を第一に考えるなら、俺は絶対に受け入れられないからな」

その後、二人はショッピングモールへ向かった。

とわこはお菓子を買い、さらにジュエリーショップでオフィスの女性社員全員に、誕生月にちなんだゴールドのブレスレットを選んだ。

「とわこ、本当に手間を惜しまないんだな!一人一人の誕生日まで調べて……」とマイクはぼやいた。

「でも、みんなが喜んでくれるわ」ととわこは微笑んだ。

マイクは肩をすくめ、「お金を渡した方が喜ぶんじゃない?」と冗談交じりに言った。

とわこは軽く笑い、「それも一理あるけど、私が感じているのは、必ずしもお金が全ての幸せをもたらすわけじゃないってことよ」と言った。

例えば、今日涼太からもらった贈り物も、お金を直接もらうよりずっと嬉しかった。

買い物を終えた後、マイクは片手でショッピングバッグを持ち、もう片方でとわこを支えながら歩いた。

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