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第427話

彼女はベッドに横になり、灯りを消した。

何度も寝返りを打ち、時間が経つほどに目が冴えてしまう。

彼女はスマホを手に取り、時間を確認した。

まだ30分しか経っていなかった。

暗闇の中でため息をつき、目を閉じて無理やり眠ろうとする。

しばらくして、再びスマホで時間を確認した。

もう0時を過ぎていて、もう少しで午前1時になろうとしていた。

しかし、彼女は全く眠れない。

完全に眠気がなくなっていた。

反射的に彼女はベッドサイドの引き出しを開け、メラトニンを取り出した。

薬の瓶を開け、飲もうとした瞬間、彼女は目に入った葉酸サプリにハッとした。

すぐに手にしていた薬をゴミ箱に捨てた。

彼女は眠らなければならない。

お腹の子供のために。

翌朝8時。

とわこは二人の子供を幼稚園に送り、その後外で朝食を買って帰った。

みんなでダイニングテーブルに座っていた。

子遠はとわこを一瞥した。

今日は特に美しく、目を引くほどだった。

白いセーターを着ていて、中には赤いワンピース、足元は平底の革靴。

淡いメイクが施され、健康そうな顔色だった。

「三千院さん、今日はデートですか?」と子遠が少し口を挟んだ。

マイクは言った。「涼太のこと知ってるか?彼の復帰後の最初の新曲がうちに契約されたんだ。今日はホテルで契約式があるんだぜ」

子遠は驚いてとわこを見つめ、「じゃあ涼太の病気、本当にあなたが治したのか?」と尋ねた。

とわこは話題を変えた。「あなた、マイクをブロックしてなかった?」

その話になると、子遠の表情がさらに不自然になった。「昨日、同僚と外で飲んでたら、あいつが直接そこに来たんだよ」

マイクは太い眉をしかめて、「ところで、まだ俺をブラックリストから外してないだろ?」と言った。

とわこは立ち上がって、「あなたたち、ゆっくり食べて。私は先に行くわ」と言い残して出かけた。

午前10時。

市内で最も老舗の五つ星ホテル。

涼太の復帰後初めてのイベントがここで行われた。

このイベントはネットで全編ライブ配信され、数千万のファンが視聴し、瞬く間にトレンドの一位に躍り出た!

常盤グループの社長室。

奏のパソコン画面には、その熱狂
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