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第429話

「とわこ、なかなかのやり手ね!」すみれは冷ややかに口を開いた。

涼太は今のトップアイドルではないが、かつてはその頂点に君臨していた。

そして今日、彼の正式な復帰は、エンタメ業界に大きな波を起こした。

すみれには、涼太がどうしてそこまでとわこを助けるのか理解できなかった。

以前、彼は三千院グループのためにツイートし、そのおかげで一度救われたことがある。

今回は、彼女のために新曲まで書いているなんて…あり得ない!

彼女はすぐにはるかに電話をかけた。すぐに電話が繋がる。

「はるか、涼太はなんであんなにとわこを助けるの?二人の間に何かあるの?」

はるかもそのライブを見ていて、気分が良くなかった。

涼太は才能があるだけでなく、あのハンサムな容姿を持っている。女性が彼の魅力に抗うのは難しい。

「さっき、ライブで彼がその答えを言ったわ」はるかの声は冷たく、まるで冷たい湖の底から響いてくるようだった。「彼はとわこと、彼が病気のときに知り合ったって」

すみれはその意味が分からず、眉をひそめた。「それって、何かおかしいの?」

「彼は以前、植物状態だったのよ!植物状態の人間には意識がない。たとえとわこが毎日目の前で動いていても、彼が彼女を知るわけがない。だから、彼女と知り合ったのは病気が治った後ってことよ。じゃあ、彼の病気がどうやって治ったのか?彼がどうしてとわこにそこまで感謝しているのか?その答えは明らかだろう!」

すみれは驚いた。「彼の病気はとわこが治したってこと?」

はるかは歯を食いしばりながら答えた。「そうよ!彼の病気を治したのは、間違いなくとわこよ!彼女が彼の命を救ったから、彼は何もかも捧げて彼女に報いるのよ!」

すみれは突然、笑い出した。

はるかは不思議そうに訊ねた。「何がそんなに面白いの?今や涼太という切り札を手に入れたとわこをどうにかしなければならない状況なのよ!」

「とわこがそんなに凄いとはね?私、全然聞いたことないわ。彼女が植物人間を治せるなんて?もし本当にそんな力があるなら、なんで会社なんて経営してるの?医者になって金持ちを治した方がずっと儲かるじゃない?」すみれは鼻で笑った。「結菜の治療に、奏はあなたに400億も支払ったでしょう?これがどれだけの儲けになるか、会社
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