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第165話

梅田ばあやが北條老夫人の自己憐憫を厳しく制止した。その表情は冷酷だった。「何が『陛下からの賜婚』ですか?北條守が軍功を盾に陛下に願い出たのではありませんか?側室どころか、平妻を求めたのです。その時、北條守と葉月琴音が一緒にお嬢様に会いに来て、どれほど冷酷な言葉を吐いたか、もう一度繰り返しましょうか?」

「北條守はこう言いました。『琴音を迎えた後は、二度とお前の部屋には足を踏み入れない。お前は家政を取り仕切り、持参金で将軍家を支え続ければいい。将来、俺と琴音の子供を育てれば、それがお前の生きがいになるだろう』と」

「葉月琴音は図々しくも多額の結納金を要求しました。将軍家にはそれだけの金がなく、お嬢様に要求してきました。お嬢様は貸すと言いましたが、与えるつもりはないと。すると、あんたたちは薄情だと非難しました」

「最後に、あんたたちは手詰まりになり、お嬢様を不孝者、子なしだと言って離縁しようとしました。女性が離縁されれば、持参金は一銭も取り戻せないからです。なんと残酷な心根でしょう」

「さくらお嬢様が不孝?将軍家に嫁いでから、毎日あんたの病の世話をしていたではありませんか。お嬢様に子供がいない?笑わせないでください。新婚の夜から北條守は出征し、戻ってきたと思えば葉月を迎えようとしました。最初から最後まで、お嬢様の指一本触れなかったのに、どうやって子供を産めというのですか?」

福田とばあやの言葉が飛び出すと、群衆は沸き立った。

「そういうことなら、上原さんはまだ清らかな身なのね?」

「将軍家はひどすぎるぞ。北條守が自ら願い出た賜婚なのに、今度は上原さんの持参金を狙うとは」

「こんな家族に巻き込まれるなんて、みんな厚顔無恥ね。本当に因果な話だわ」

「そうだよな。上原大臣一家は正々堂々としていて、上原将軍は邪馬台で軍功を立てたんだぞ。そんな人たちのはずがない」

「聞いたところによると、和解離縁の時、上原太公はひどく怒って、将軍家は人をバカにしすぎると言ったそうよ」

「丹治先生と言えば思い出したわ。去年、薬王堂に行ったとき、将軍家の大奥様が門前で跪いていたんだ。丹治先生に薬を売ってほしいと頼んでいたらしい。薬王堂の医者が教えてくれたけど、将軍家の老夫人の品行が悪いから、丹治先生は薬を売りたくないって」

「あの時は上原さんをゴミのように追い出したくせに、ま
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