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第148話

影森玄武は混乱した思考の中から一つの線を掴んだ。それは何としても皇兄にさくらを後宮の妃として迎え入れさせてはならないということだった。

さくらのような人物は、たとえ戦場を駆け巡らなくとも、深い宮殿の高い壁の中に閉じ込められるべきではない。

「陛下、さくらを宮中に入れることはできません。この玄武は承諾しません。さくらは臣下の配下です。陛下は強引に奪うことはできません。彼女の意思さえ聞いていないのです」

「それは理由にならん」

「つい先日、あのような不幸な縁から抜け出したばかりです。少なくとも、さくらに落ち着く時間を与え、男性に対する信頼を取り戻させるべきです。気持ちを考慮し、強引に娶るようなことはすべきではありません…」

天皇は玄武を見つめ、目に厳しい色を宿した。「お前は戦でもそうなのか?敵に落ち着く時間を与え、敵の気持ちを考慮するのか?」

玄武は一歩も譲らず、「さくらは敵ではありません」

元帥の戦場での鋭さが戻ってきたかのようだった。兄の前に立ち、さくらを守ろうとする気持ちを少しも隠さなかった。「それに、上原家は悲惨な全滅を遂げ、今やさくらは国のために功績を立てました。陛下は本当に妃として強制しようというのですか?あの馬鹿げた警戒心のためだけに?」

天皇も玄武と睨み合い、しばらくしてため息をついた。「実を言えば、兵を擁して自重することを警戒しているわけではない。それは口実に過ぎない。朕は本当にさくらを気に入り、賞賛している。妃として迎え、朕のそばに置きたいのだ」

「陛下の後宮には美人も、陛下のお気に入りの方々も不足していません。陛下の一言の気に入りと賞賛で、さくらの一生を縛るのは、さくらにとって非常に不公平です」

天皇は御案を叩いた。「玄武、朕が誰を妃に迎えるかは朕の問題だ。お前は少し軍功を立てただけで、朕の後宮に干渉する勇気があるのか」

「干渉します、最後まで干渉し続けます!」玄武も首を伸ばして叫んだ。その端正な顔は怒りで真っ赤になっていた。

天皇は冷たく言った。「朕は明日にも勅令を下す!」

玄武も冷たい目つきで返した。「ならば私はここに留まり、宮を出ません。誰がその勅令を書こうとも、私が殴ります」

「朕が自ら書けば、朕まで殴る勇気があるのか?」

玄武は声を張り上げて叫んだ。「吉田内侍!北冥親王家に使いを出し、安田に衣類を用意させろ。
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