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桃香の遺書
桃香の遺書
著者: お酒さん

第1話

姉の誕生日パーティはいつもこのように盛大に行われて喜びに包まれていた。三日三晩過ぎてから、喜びが冷めない中、母はようやく私のことを思い出した。

彼女は私にどうして姉の誕生日パーティに参加しなかったのか、プレゼントさえ渡さないなんて、などというメッセージを送ってきた。

母は「お姉ちゃんがとてもあなたのことを気にかけているのよ。あなたがどうしたのか何回も聞いてきたのに、お姉ちゃんに対してあなたはこんな態度なの?」と送ってきた。

私はそれに返事をしなかった。

母も特に気にはしていないようで、携帯をなおすと、いつものように姉と腕を組んで街へと出かけて行った。展覧会を見学したり、アフタヌーンティーをしたり、高級スパへ行ったりだ。

彼女はそれらに忙しく、空が暗くなってからたくさんの戦利品を持って家へ帰り、時間がある時に携帯を取り出してちらりと見た。

そして、彼女は一日経っているのに私がまだ返事をしていないことに、この時気がついた。

母は一瞬にして不機嫌になった。「この不良娘ったらどうしたのよ。まさかまだ怒ってるのかしら?小さい頃から怒りっぽかったのよね。あんな小さな事くらいでヒステリー起こして。母親である私に謝れとでも思っているのかしら」

姉は彼女の隣でマッサージをしてあげながら、優しい声で慰めて言った。「お母さん、怒らないで。怒りで体でも悪くしたら私はすごく悲しいわ」

彼女は心配して言った。「だったら、電話をかけてみたらどうかしら?もしかしたら、あの子、ただメッセージを見てないだけかもしれないわよ」

母は姉に慰められて、少し表情を和らげたが、私の話題になるとまた顔を曇らせた。「そんなまさか!一日24時間ずっとメッセージを確認しないなんて、死んだわけじゃあるまいし」

そうだよ。

私は死んだんだよ、お母さん。

あなたはもうすぐ気づくことになるわ。

警察が花岡家の別荘に私の死亡を知らせる電話をかけた時、母は最初信じなかった。

彼女は何度も嘲笑った。「あんたは花岡桃香が雇った役者かなんかでしょ?あの子って本当に馬鹿なんだから、言い訳すら上手くできないのね。あの子はね、死ぬのを本当に怖がっているのよ。そんな子が死んだなんて、誰が信じるものですか。

彼女のところに戻って伝えなさい。こんなおふざけなんか意味ないって!それよりおとなしく家に帰ってきて謝ったほうが身の為よとね」

電話を切った後、彼女はこれを笑い話にして食事の時に姉と父に聞かせた。

姉は先に驚いて、すぐにその表情を緊張でこわばらせた。「お母さん、そんないい加減じゃダメでしょ。もし本当だったら?」

父は顔をこわばらせ、怒りを抑えているようだった。「本当だったら?もしこれが本当だとしたら、この私も一緒に死んでやろうじゃないか!あの子は以前こういうふざけた事をしたことがあるんだ。どうせこういう方法で私たちを脅したいのだろう!」

母もそれに続いた。「横着で、全く勉強しないし、私たちが一言でも何か言うと、駄々をこねて、一体どうしてこんな性格になってしまったことやら!どちらも私が生んだ子なのに、なぜ桜子のほうはこんなにいい子なの?」

彼らは食事をしながら、私を批判し、そして各々自分のことをしに行った。

誰もこの事を真剣に捉えていなかった。父は母に家のルールに従って、私が帰ってきたら、私にしっかり罰を与えるように厳しく言った。私がまた人を騙さないように。

私はため息をついた。

どうして彼らは信じないのだろうか。

私は本当に死んだのよ。もう帰って来られないのに。

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