第7話

実家に戻ると、ドアを開けた瞬間、母がソファに座ってスマホを見ながら大笑いしているのが目に飛び込んできた。

「お母さん、何がそんなに面白いの？」と笑いながら近づき、自分もお茶を入れた。

「何を見てると思う？あなたの元旦那とその素晴らしい愛人よ！」と母は言いながらスマホを私に差し出した。「ほら、このコメント、読んでみて。本当にスカッとするわ！」

スマホを受け取ると、画面には絢香のTwitterのコメント欄が映し出されていて、今や彼女のファンが大量に脱退し、大炎上している様子だった。

「まさか彼女が浮気相手だったなんて！どうしてそんなことができるのか……」

「何だと？他人の家族に入り込んでおいて、まだ清純ぶってるの？芸能界から消えてほしいわ！」

「こんな嫌われ者にファンがいるなんて？みんな目が腐ってるの？」

「問題を起こした芸能人は追放だ！山田絢香は芸能界から出て行け！」

……

コメントをざっと見渡すと、ほとんどが絢香を非難する内容ばかりだった。やっぱり母のやり方は相変わらずで、速くて的確だ。この反撃は本当に見事だった。

「聞いた話によると、絢香はもう事務所と契約解除されて、すべての広告や出演作品も失ったらしい。それに、巨額の違約金を背負っているそうよ。今はオンラインでしか目立つことができないみたい」と母はお茶をすすりながら、楽しげに話していた。

その後、母が心配そうに私を見つめて言った。「でも、これくらいじゃ軽い方だよ。あなたを殴って流産させた件はまだ片付いてないから、もうすぐ裁判が始まるから待ってて」

それから数日間、両親は協力して動き出した。まずは人脈を使って、恭平の業界内の全てのリソースを封じ、彼が再起するチャンスを完全に奪った。

次に、各企業にプレッシャーをかけて、面接でもどこでも拒否されるように仕向けた。

今頃、彼は自分の選択を心底後悔しているだろう。

でも、それがどうしたってわけ？

自業自得だ。

それに、彼らが住んでいた川辺の佐藤家の大きな別荘は、ローンが返済されず、ついに差し押さえられてオークションにかけられた。最終的にその家を買ったのは、もちろん私だ。

その別荘の引き渡しの日、驚いたことに、美鈴と雨音がまだ中にいた。どうやら彼女たちは引っ越しを拒んでいるらしい。

美鈴は私を見てすぐに駆け寄り、私の腕を掴んで叫んだ。「