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第79話

それ故に、診療費用も公立病院よりもかなり高くなった。

そのため、この時間帯の患者はあまり多くなかった。

呼び出しを待っている間、下半身から何かが出てくる感じがした。「来依、生理用品を買ってきてくれる?」

「また出血してるの?」

河崎来依は顔を引き締め、椅子から立ち上がった。「今行く、何か急用があったら電話して、わかった?私が戻ってこないまで待ってて、どこにも行かないで」

「分った」

私は弱々しく頷いた。

そうなる前は、つわり以外に、妊娠前とあまり変わらないと感じた。

今さら気づいたけど、疲れ切っていて、余分な力がまったくなかった。

「36番、清水南さん、三番診察室にお越しください」

私はドアの前に座っていた。立ち上がって中に入り、報告書を医者に渡した。「先生、お願いですが、今日突然出血しました」

「出血ですか?」

医者は報告書を見て真剣な表情で頭を垂れ、コンピュータで操作をした。「前回の検査結果は問題ありませんでしたが、なぜ今日こうになったのですか?疲れすぎたのか、血行を良くする食べ物を食べたのか、または感情の波動が大きすぎて気持ちが抑うつになったのでしょうか?」

私は手のひらをつねり、正直に答えた。「たぶん、今日は気分があまりよくありませんから」

医者はこのようなことをよく見ているようだった。「1日気分が悪いだけではこんなに深刻ではありません。ご家族は?」

「友達が買い物に行ってくれました……」

「家族について聞いていますよ。夫はどこですか?」

医者は真顔で言った。「妊娠しているのに、彼はあなたを怒らせるのですか?彼を呼んできて、妊婦の注意事項を伝えますから。妊婦が心地よい気分を保つことは基本です!そうでなければ、父親になる資格はありません!」

「宏、私を支えて!妊娠しているよ!赤ちゃんは大丈夫だろうか?何日も検査に来ていないので、成長はどうなっているかわからないんだ」

「江川アナ、少し静かにしてもらえる?」

「どういう態度なの?私を怒ることは、私のお腹の赤ちゃんを怒ることと同じだよ。分かるか?」

「妖怪を妊娠しているの?数週間で聴覚があったのか」

江川アナと江川宏の声が、半開きのドアから聞こえてきた。

この2人、なかなか消えないわね。

「なぜ話しませんの?」

医者は経験者の表情で言った。「あなたは、妊娠のことにつ
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