第468話

粥ちゃんは興奮して飛び跳ね、私の顔に「チュッ」と一口、「おばあさん最高！」と言った。

それから、エレベーターに向かって走り出し、父親の腕の中に飛び込んだ。

京極律夫は小さな子を抱えながら歩いてきて、私に携帯を返し、礼儀正しく頷いた。「香織に説明しましたので、京極怜太を連れて行きます」

「おばさん！粥ちゃん行ってくるね！」

粥ちゃんは私にキスを投げ、可愛らしく言った。「心配しないで、暗くなる前に帰ってくるよ」

......本当に帰ってくるの？

私は少し驚いて彼を見つめ、京極律夫もほとんど気づかれない程度に眉をひそめたが、何も言わなかった。

私は彼の頭を撫でた。「お父さんとお母さんの言うことを聞いてね」

「うん！」

小さな子は力強く頷いた。

「それでは、清水さん、お邪魔しました。失礼します」

「いえ......いえ、どういたしまして！」

なぜか、京極律夫には強いお年寄りのような感覚を感じた。

彼の性格だけでなく、何とも言えない感じがあった。

......

京極律夫は小さな子を抱えてエレベーターに乗り込んだ。平静な声で言った。「今晩は家に帰らなくて、またここに来るつもりか？」

「うん！」

粥ちゃんは父親の首にぶら下がり、大きな目をぱちぱちさせながら言った。「パパが送ってくれるよ」

京極律夫は彼を見下ろして言った。「おじいちゃんとおばあちゃんが君を待ってるよ」

「うん......粥ちゃんもおじいちゃんとおばあちゃんが恋しいよ......」

粥ちゃんは少し困った顔をして、しばらく真剣に考えた後、選んだ。「でも、粥ちゃんは大事な用事があるんだ！」

京極律夫は小さな子を笑いながら見つめた。「大事な用事？」

小さな子供なのに。

食べる、飲む、遊ぶ、寝る、それが一日のすべてだった。

何が大事な用事だというのだろう。

粥ちゃんは父親の軽蔑な視線に気づき、ふんふんと不満そうに言った。「そうだよ！それは、粥ちゃんが弟か妹をもらえるかどうかに関わることだよ」

彼は一人で退屈して仕方なかった。

もし彼が手を貸さなければ、おじさんとおばさんがいつ子供を作ってくれるのか、わからないからだ。

京極律夫は顔を真っ黒にして言った。「弟？妹？ママ、また男と付き合ってるのか？」

離婚してから、京極家で数年間、もともと規律に縛られない服部香織は、まるで