第467話

ドアを開けると、そこに見知らぬ男性が立っていた。

男性はきちんとしたスーツとベストを着こなし、背が高くてしっかりした姿勢をしていた。

年齢は30代後半くらいで、深い威厳を感じさせる雰囲気を持っていた。

......まるで長老のようだった。

私はこの人を見覚えがないと感じ、少し戸惑いながら言った。「こんにちは、何の御用ですか？」

「こんにちは」

彼は軽く頭を下げ、言った。「京極怜太を探しています」

「京極怜太？」

頭が一瞬停止した後、すぐに反応し、笑いながら聞いた。「粥ちゃんのことですか？」

「はい」

「あなたは......どなたですか？」

「私は彼の父親、京極律夫です」

「......わかりました」

そのきっちりとした話し方に、私はすぐに粥ちゃんが以前話していた父親のことを思い出した。

——お年寄り。

京極律夫は失礼に中を見ることなく、私の目を見て言った。「今日は京極家の宴会の日です。彼を迎えに来ました」

私の知っている限り、この京極家は服部家や藤原家に次ぐ、最も控えめでありながらも非常に複雑な家族だった。

しかし、京極律夫は全く強引な態度を取らず、むしろ好印象を持った。

私は彼に微笑んで言った。「確認のため、香織姉さんに電話をかけてもよろしいですか？」

「もちろん」

彼はそう言うと、私が電話をかけやすいように、エレベーターの方へと移動して待った。

私は携帯を取り出し、服部香織に電話をかけた。「香織姉さん、粥ちゃんの父親が来たんだ。今日は家の宴会で、粥ちゃんを迎えに来たいと言ってたが、大丈夫？」

「京極律夫、その封建的な男が来たの？」

服部香織は不快そうに言った。「彼に電話を渡して！」

「......わかった」

私は電話越しに緊張感を感じながら、エレベーターの方に向かって歩きながら京極律夫に言った。「京極さん、香織姉さんが電話を受けてほしいと言ってます」

その手強い問題を渡した後、私はあまり遠くに行かないうちに、服部香織が電話越しに激しく話しているのが聞こえた。

京極律夫の口調は、私と話している時よりも少し優しくなっていた。

「来る前に電話をかけたんだが、あなたが出なかったよ」

「わかった、ごめん。私はあなたが出るまでかけ続けるべきだった」

「もう、怒らないでください」

......

きちんとしたスーツ