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第278話

一緒に過ごしていると、とても心地よかった。

話が一段落したところで、私はバッグからメジャーを取り出し、服部おばあさんの体の寸法を測り始めた。

服部鷹が指示を出していた。「清水さん、ついでに藤原おばあさんの分も測ってくれ」

「わかりました」

人数が増えるということは、それだけデザインの注文も増えるんだ。

望むところだった。

藤原おばあさんは手を振って言った。「私は大丈夫よ......」

「おばあさん!」

服部鷹が遮り、優しい言葉で説得した。「もし断ったら、俺が片方だけ特別扱いしてるみたいに見えちゃうよ」

「わかった、わかった」

藤原おばあさんは笑いながら承諾した。

寸法を測り終わったところで、執事が来て食事の準備が整ったと知らせてくれた。

しかし、服部鷹は電話を受けて、急に用事ができたようで出かけなければならなくなった。

出発する前に、彼は私に部屋のカードキーを手渡した。

私も長居するのは悪いと思って、言った。「私もそろそろ失礼しようかしら。一緒に出るわ」

「南」

服部おばあさんは私を温かく呼び止めて、勧めてくれた。「彼のことは気にせず、ゆっくり食事をしていって、食事が終わったら、運転手にホテルまで送らせるから」

「俺のおばあさんは優しいけど、簡単には人を食事に誘わないんだ」

服部鷹は笑って言った。「お願いだから、ここは俺の顔を立ててよ?」

仕方なく、私は承諾した。

食卓には、半分の老人向けの消化の良い料理と、半分の牛肉や羊肉、シーフードなどの料理が並んでいた。

服部おばあさんが最初に席に着いた。「南、気を使わず、家だと思ってたくさん食べてちょうだい」

「はい」

私はおとなしく微笑んだ。

もしかしたら、家族の愛を求めているのかもしれないから、優しい年長者の前では、いつも素直になってしまう。

食事がほぼ終わりに近づいた頃、使用人が一人分のデザートを運んできた。

特に気にせず口に入れたが、すぐに違和感に気づき、慌ててティッシュを取って、さりげなく吐き出した。

このシーンは、藤原おばあさんにしっかりと見られていた。

彼女は柔和な表情をしていたが、服部おばあさんのような親しみやすさとは違い、どこかよそよそしさがあった。

その目が一瞬きらめき、今日初めて私に話しかけてきた。「清水さん、山芋はお嫌い?」

「そうではありま
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