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第138話

「……」

私は赤木邦康がこんなにくずだとは思わなかった。私は眉をひそめて言った。「おじさんはパスワードを知っているか?」

「私、私はパスワードを覚えられないかもしれないと心配して…」

おばさんの顔は後悔でいっぱいだった。「家の銀行カードと同じパスワードだ」

「……」

「……」

私と河崎来依はどちらもしょうがなかった。

赤木邦康はお金をだまし取る上手なくずだった。銀行カードを手に入れたら、すぐにお金を移すだろう。

今銀行に行ってカードを紛失届けを出しても間に合わなかった。

しかし、それよりもう一つの問題について心配していた。「おじさんはまたギャンブルを始めたのか?」

「うん……」

おばさんは涙を拭いて、歯を食いしばって言った。「実は彼はここ数年、ずっとやめられなかった。だから私は彼に南が毎月いくらのお金をくれるか教えなかったんだ。あの馬鹿野郎が、私の治療費までも奪うなんて!」

「それなら、離婚したらどう?ギャンブルは底なしの穴だよ!」河崎来依は聞いて怒りが込み上げて、我慢できずに言った。

「今回は……」

おばさんは私を見上げて、申し訳なさそうに言った。「必ず離婚する。もし私がもっと早く離婚していたら、南もこれほど長い間苦しい日々を過ごす必要はなかったのに」

私は何を思ったのか、両親が亡くなる前に私に退路を用意してくれたことを思い出したのか、あるいはあの日々を思い出したのか、目に涙が浮かんだ。

「それらは過去のことだ」

私は鼻をすすると、冷静に言った。「おばさん、この機会ではっきりと話しておきたいことがある。もし離婚を決めたのであれば、しっかりと考えたら。後の治療費は私が何とかする。おばさんは私が一番困っていた時に私に寄宿の場所を提供してくれたんだから。しかし、もし離婚しないなら、ギャンブルは深い穴だ。私は一緒に飛び込むつもりはない。私の言いたいことは……わかったか?」

おばさんは恥ずかしそうに頭を下げ、繰り返し言った「わかった。わかった!南、おばさんにたくさんのお金をくれた。後の治療費とその四百万円も、私が借りたと思って。私が良くなったら、必ず返す」

「わかった」

私はおばさんが心の負担を抱えていたのを心配して、了承した。

おばさんの治療費は小さな金額ではにあが、私が江川家にいるこの3年間、価値のあるものはいくつかあった。

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