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第136話

私は気を取り直して尋ねた。「このことで心配しないで。離婚は私と彼の問題だ。しかし、お爺さんはいつも私に親切であり、彼が不明瞭なまま去ることは望まないんだ」

私はこの安心剤を渡した。土屋叔父さんはついに話すことを決めた。透明な密封袋から小さな錠剤が一つだけ入っていた。

そして、この錠剤は私にとって非常に馴染み深いものだった。

それはお爺さんが常にポケットに入れている緊急薬だった。

土屋叔父さんは言った。「これは数日前、使用人が爺様の書斎を掃除していた時に、机のカーペットの下で見つけたものです」

私はそれを受け取って注意深く見たが、背筋が凍りついた。

江城の空気は乾燥していないので、もし地面に落ちていた薬なら、少し湿っていたはずだ。

しかし、袋の中のこの錠剤には、一切湿った痕跡がなかった。

私は声を詰まらせて言った。「古宅で最後に大掃除をしたのはいつ?」

「爺様がなくなった前の日にちょうど大掃除をした」

土屋叔父さんも明らかにこの問題を考慮したことがあり、すぐに答えを出し、表情も少し重くなった。

つまり、あらゆる兆候が示すとおり、薬はお爺さんが亡くなった日に地面に落ちたんだ。

そしてお爺さんは、江川アナとの個別の会話の時だけ病気になって、その時だけこの薬を飲むのだ。

しかし……私が江川アナに問い詰めた夜、彼女はお爺さんが薬を飲みたいことを全く言わなかった!

私と土屋叔父さんはお互いを見つめ合い、お互いの目から深い疑念を見た。私は唇を噛んで言った。「江川宏は知っているの?」

「まだ知りません」

「指紋鑑定に送ってみよう」

私は考えてみた。「今、彼に言っても何の意味もない。彼は江川アナを信じているので、私が彼の大切な人を意図的に中傷していると思うでしょう」

「若奥様……実は、宏は江川アナに確かに……」

土屋叔父さんは江川宏のために説明しようとしたが、私は静かに言った。「どうでもいいんだ。それに、彼が江川アナを本当に大切に思っているよね?」

江川宏が江川アナに対してどんな考えを持っているかはわからないが、彼にとって江川アナは誰よりも重要だった。

それだけで十分だった。

土屋叔父さんの目が冷たくなり、厳しい声で言った。「安心してください、もし爺様の死が彼女と関係があるなら、彼女はもっと惨めな死に方をするのです」

その瞬間、私は土屋叔
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