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第120話

私はこの言葉を口に出すところだったが、我慢した。

言っても意味がなかった。

私は口角を引っ張った。「あ本当に立派な人助けだね。来月もお願いできるか、善行をもう一つしてもらえるか?」

「言って」

私は淡々と言った。「離婚証明書を取りに行こう」

私を縛っている力が急に引き締まり、男の指先が震えたのがはっきりと感じられ、そして、無音のままの膠着状態が続いた。

しばらくして、エレベーターのドアが突然開き、愛し合っている夫婦が出てきた。

江川宏は一瞬驚いたが、私はその隙に手首を引き抜き、エレベーターに足を踏み入れた。

閉じるボタンを押し、エレベーターのドアがゆっくりと閉まるのに伴い、久しぶりの軽さを感じた。

別れることが最善の選択だった。

もう別れるしかなかった。

……

この夜、問題が解決されたのか、疲れすぎたのか、私は翌日の9時過ぎまでぐっすり寝てしまった。

河崎来依は仕事に行っても私を起こさせなかった。

炊飯器の中には、彼女が予約した粥が入っていた。

私は2杯も食べて、自分の食欲がなぜこんなに良いのかと思った時、やっと気づいた。そう、私は流産した。

つわりがなくなると、自然に食欲も戻る。

トイレに行くたびに、まだ血が見えるから、まるで幻のような夢を見たと思った。

食事を終えた後、太陽の下に座って、コンペのデザイン案を描き続けた。

ほぼ完成したので、あとは最後の仕上げだけだった。

完成した後、細部を少し変更し、メールでMSに送った。

足腰を伸ばして、だるくて痛かった肩と首が少し動させ、電話がかかってきた。

私は電話に出て、言った。「もしもし?」

江川宏の声が薄く聞こえた。「離婚したくないなら、なぜそんなことを言う?」

「???」

私は何もわからなかった。「何を言っているの?」

「すべて知っていた」

彼は急がずに、優しい声で言った。「ちょうどおじさんが俺を訪ねてきた。お前が泣いたと言っていた」

「……」

私はイライラしてしまった。

赤木邦康がこの件に関与するとは思いもよらなかった!

私が話さなかったのを見て、彼は説得しようと言った。「南、俺たちは離婚しなければならないほどの状況には至っていない」

私は手のひらをつまんで言った。「おじさんはどこにいるの?」

「ちょうど出かけた」

「了解した」

「私が言っている
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