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第5話

亮介は電話をかけている。

「あいつは好きじゃないから、余計なこと考えるな。

彼女が僕を救ってくれたから、僕は助けなきゃ。それだけだ。

僕が金目当ての奴を好きになるわけがない」

……

見なくてもわかる、それは里奈だ。

私は静かに亮介の私に対する評価を聞いていた。

痛みが頭に襲ってきた瞬間、

急にすごくつまらなく感じた。

もう飽きた。

でも、里奈を喜ばせたくもなかった。

私はベッドの横にあるベルを押すると、亮介はようやく慌てて電話を切った。

「起きたか、ずっと寝てたな。医者が言ってたけど、軽い脳震盪だってさ。

その金属の破片がお前の肋骨に当たったが、幸いに心臓には当たらなかった」

亮介は私を起こして、優しく私の背中に枕を置いてくれた。

私は胸の包帯を見下ろした。

幸い、私はまだ生きてる。

看護師は薬を出して、指示に従っておくように言ってから出て行った。

すると、部屋には私たち二人だけが残っている。

亮介は私を見て、何度も口を開けてようやく尋ねた。

「柚希、あの時どうして僕の前に来たの?」

私は目の前の人を見つめる。相変わらずかっこいいけど、目の下に少しクマがあった。そして、きちんとした服にも少しシワが増えた。

しばらくして、亮介は私が彼に答えないと思うほど長い時間が経った。

私はかすれ声で言った。

「亮介、あなたは無事でいなければならない、無事でいてほしい。平穏無事に一生を過ごしてほしい」

私の言葉が重すぎたせいで、亮介はなかなか立ち直れなかった。ただ、私を見つめるその目が輝き始めた。

「柚希、僕は君に償うよ。この傷を無駄にしないから」

私は返事をしなかった。誓いはしばしば言った人が最初に後悔することが多い。

「大学の近くにあるピータンと豚肉のお粥が食べたい」

「僕が買いに行く」

亮介は任務を受けたかのように、足早に出かけた。

スマホがずっと振動していたので、私はちらっと見た。すると退院手続きを済ませ、亮介との新居に戻った。

寧城は今、雨季で、部屋の中には湿った土の匂いが漂っている。

亮介が戻ってきたのはすでに夜の11時だった。

ドラマはもう終わったので、私は感情コントロールの番組に切り替えた。

男は調停委員の前で泣きじゃくっていたが、女は振り返ることなくその場を去った。

観客はざわめき、遅れてきた深い愛情は草よりも軽んじられる。

私は振り返ってドアのところに立っている亮介を見たが、一言も発しなかった。

男は全身濡れていて、手に冷たくなった皮蛋と豚肉の粥を持っていた。

キャメル色のコートが水を吸って茶色になった。コートが湿って体にくっついていて、かなり見苦しい。

彼よりもずっと醜い。

「退院したのにどうして電話をくれなかったんだ」と亮介のやや硬い声が聞こえた。

「あの店がこんなに人気だなんて知らなかった。待たないと買えないんだね」

私は穏やかに答えた。

亮介は一瞬黙り込んで、かすれた声で言った。「ごめん、里奈は自分のせいで君が怪我したと思って、感情が高ぶっている。彼女が何か愚かなことをするのが心配なんだ」

「お風呂に入りなさい、風邪をひかないように」

私はテレビを消して、振り返って階段を上がった。

しかし、ベッドに横になっているのにどうしても眠れない。

スマホを開くと、里奈からのメッセージが届いていた。

「あなたの負けだよ」

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