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第11話

私は山を駆け下りながら、竜山が死にかけているのをはっきりと感じた。

群れをなして蛇が逃げ散り、鳥や獣、木々はすべて生気を失っていた。

私はほとんど狂ったように走り続け、夕暮れ前に山腹の爆破現場に到着した。そこでは吉田浩樹が大工頭と話していた。

「戻ってきたのか?」彼は私を一瞥し、特に驚きもせずに言った。私は近くにあるいくつもの坑道を見つめ、それが爆破によってできたものか、もともと掘られたものかもわからず、頷いて返事をした。

工事現場の背後には山腹の別荘があり、爆破音は私たちの生活にほとんど影響を及ぼさなかった。それだけ、竜山がどれほど大きいかがわかる。

それでも、竜山はこの五年間で既に傷だらけになっていた。

大工頭が吉田浩樹に工事の進捗を説明しているところで、私は彼らが話しているのを耳にした。あと三ヶ月もすれば、竜山は完全に掘り尽くされるということだった。

吉田浩樹は坑道の端で真剣に耳を傾け、その顔には貪欲な光が浮かんでいた。

私はつま先立ちになって坑道を覗き込むと、底の見えない暗闇の中にかすかな光が揺れていた。

これは十分に深い。

「お父さん、これが気に入るか?」私は突然口を開き、彼を一瞬驚かせた。

「何だと?」

「これがあなたの墓場だとしたら、どうだ、気に入るか?」

私は全身の力を振り絞って彼に飛びかかり、その体をしっかりと掴んだ。

大工頭が声を上げたが、引き止めるにはもう遅すぎた。

私たちは二人一緒に、その底の見えない鉱山へと落ちていった。

白木は彼を殺せない、だが私はできる。しかし、人間社会で生きる私は人を殺せば刑務所に入ることになる。彼はどうあれ、私を育てた養父だ。私が恩を仇で返して彼を殺すよりは、共に果てる方がいい。自分も清々する。

人が死ぬ時、目の前にこれまでの人生が走馬灯のように映ると言われている。

私は以前はそれを信じていなかったが、今は信じている。

落下する過程は特に長く感じられた。

私は目を閉じ、そこにある白木の姿を見ないようにした。右ふくらはぎに残された青い蛇の刺青がますます熱くなっていった。

そして、雷鳴が聞こえた。

怒り狂った雷鳴が轟き響き、私に迫ってきた。それは今まで聞いたことのないような恐ろしい雷だった。

竜山全体がまるで長い眠りから覚めたかのように鉱山が激しく震えた。私が坑道の底に落ちる
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