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第5話

立派な人は曲げることもできるし、伸ばすこともできる。

正面からは勝てないので、私は柔らかい方法を選ぶ。

彼は私の顔を両手で包み、一つ一つ涙を拭いながら言った。「こんなに甘やかされて、この先一体どうやって耐えられるんだ?泣いて『嫌だ』って叫ぶんじゃないか」

「そ、それを別の日にできないの?」私は息も絶え絶えに泣きながら言った。「まだ準備ができていないんだ」

「ダメだ。お前の心は大きいから、多くの蛇を受け入れられる」

彼は私の言葉を遮り、冷たい口調で言った。「お前のように心変わりする女は、俺の子を孕んで初めて落ち着くんだ」

「いや、それをいつまで持ち出すつもり?」

「俺は一言二言で簡単に騙されるわけじゃない」彼の目は悲しげで、白い鱗が桃色に輝き、まるで咲き誇る桃の花のように絡みついていた。

「俺を納得させるには、実際の行動が必要だ」

彼は私の背中を撫で、誘惑するような口調で言った。「お前は俺だけが好きだと言っただろう。それを証明してみせろ」

私はこうした挑発には弱い。

「証明してやる!」

私の手は彼の下腹部の柔らかい鱗をなぞり、果敢にキスをして舌先で彼の柔らかい牙を刺激した。

「これは反則だ……」

彼は急にうめき声を上げ、蛇の尻尾を強く使って私を自分の上に押し倒した。

私は思わず痛みに声を上げ、彼の首をしっかりと抱きしめた。

彼は両腕で私を抱きしめ、外で爆発音が響いていても、その冷たい抱擁は安心感で満ちていた。

彼の動きは急で、私は痛みに歯を食いしばりながら彼の背中を掴んだが、どんなに逃げようとしても彼にしっかりと押さえつけられていた。

彼の蛇の尻尾は私をしっかりと絡め取り、先端が私の太ももを撫でてリズミカルに慰めていた。

「怒らないで、な?」

私は歯を食いしばり、頑なに声を出さなかった。

少しすると、彼は尻尾の先に光る水を見て笑い、「これで怒っていない証拠だ」と言った。

「あなた……恥知らずだ!」

「俺は恥知らずなだけじゃなく、貪欲なんだ」

彼は先ほどの陰険さを変え、誘惑するような口調で私の耳元で囁いた。「ご主人様、怒らないでくれ、俺にくれないか?ん?俺がこんなに哀れな姿を見て、平気でいられるか?」

突然の弱気に私は全身が震えた。彼の目は涙に濡れ、胸が高鳴り、顔には解けない渇望が溢れていた。

「あなた……どうしてこん
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