第10話

再び目を覚ますと、私は竜山の山神の社に戻っていた。

体中のあらゆる傷は一夜にして完全に癒えていたが、右足だけはそうではなかった。これが白木の意図によるものだと私はわかっていた。足を不自由にして、すぐには逃げられないようにするためだ。

彼は完全に蛇の姿で洞窟の中に横たわり、眠りについていた。いつもと違い、その警戒心は極めて低かった。

私は洞の入り口で果物を摘んでいたが、彼は目を覚ますことはなかった。

爆破音が響き、砕けた石が空中に飛び散り、鳥や小動物は四方へ逃げ散った。野中に悲鳴が響き渡り、私は驚いて手から果物を落としてしまった。無意識に彼を見て、逃げていないと説明したくなったが、彼はまだ眠っていた。

これはおかしい。

私は彼の前でしゃがみ込み、かすかな呼吸を感じ取った。

さらに一度、激しい爆破音が鳴り響き、蛇人間の石像ごと揺れた。

吉田浩樹だ。彼はかつて、竜山が消えれば白木も死ぬと言っていた。

罠では白木を捕らえることはできないので、彼はこの策に出たのだ。

白木は日に日に弱り、半人半蛇の姿さえ維持できず、この瞬間も目を覚ますことはできなかった。

彼はすでに衰えの兆しを見せていたが、私はそれに気づいていなかった。

このままではいけない。

私はポケットからこっそり持ち出した携帯電話を取り出し、幸運にも山頂には電波が届いていたので、吉田浩樹に電話をかけた。

「まだ生きていたのか、何か用か？」

「私を連れて行ってくれ」私は洞窟で眠っている白木を一瞥し、「彼はもうすぐ死ぬ」と言った。

「お前の腹に彼の子供がいないとどうしてわかる？あの獣は発情期には必ず仕留めるんだぞ」

「もしあったとしても蛇の胎児だ、流してしまえばいい。私はもうわかった、一生獣のような存在に従って生きるつもりはない。あなたが私を賭けの駒にして得た金、私が使わない理由はない」

向こうはしばらく黙っていた後、「お前を山の中で爆死させて、完全に問題を根絶することもできるんだぞ」と言った。

「いいよ、それならお前は孤独なままだ。将来は誰も老後の世話をしてくれないし、商業的な縁談の機会も失うことになるだろう」

「それに、この世には山神がいるし、人が死ねば地獄もある。人を殺して地獄に落ちることが怖くないのか？」

私は拳を握りしめ、額には冷や汗がにじんでいた。

私は賭けに出た。彼