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第489話

慶太について、由佳はTwitterで調べてみた。

慶太、本名は賢太郎だった。31歳で、他の2人に比べて若い新世代の写真家だった。以前、山河国際写真大会で特別賞を受賞しており、人物と風景の組み合わせを得意としていた。風景を人物で引き立て、人物を風景で際立たせるスタイルで評価されていた。

コースの紹介を見比べたが、それぞれに特色があり、開講時期もほぼ同じで、由佳は少し迷ってしまった。

時計を見て、スマホを閉じて、後でまた考えることにした。

もうすぐ昼時で、彼女は沙織と一緒に昼食を食べる約束をしていたうえ、清次の車も返さなければならなかった。

昼食を済ませ、薬を飲んだ後、眠気が襲い、主寝室で昼寝をした。

目が覚めると、もう2時を過ぎていた。颯太からメッセージが届いていた。「お姉さん!良い知らせと悪い知らせがあるよ。どっちを先に聞きたい?」

由佳は良い知らせが何かは大体予想がついていた。「じゃあ、良い方から聞こうかな」と返信した。

「良い知らせはね、僕たちの部署が年末に温泉旅行に行くことになったんだ!しかも、家族も1人連れて行けるんだ!」

由佳は颯太の嬉しそうな顔が目に浮かんだ。

「本当?」と驚いたふりをして返信した。

「うんうん!お姉さん、僕と一緒に行こうよ!心配しないで、女性社員もいるから!」

「いいわね、おかげで私も温泉を楽しめそう!ありがとう!」

「ありがとうなんて言わないで!」

「龍之介が計画したの?」

「そう!うちのマネージャーは最高だよ!」

「確かにね。それで、悪い知らせは?」

「悪い知らせは、年末までの数日は忙しくなるから、あまり会えないかも。でも安心して、休みになったらすぐに会いに行くよ」

由佳は「大丈夫よ、若いうちに仕事に集中するのは大事だから」と返信した。

しかし、彼女が龍之介を褒めている一方で、龍之介はすぐにその情報を清次に伝えていた。

清次は画面を見つめ、次第に目つきが険しくなった。部屋の空気が一気に冷え込んだ。彼の指が徐々に強く握りしめられた。

龍之介は、由佳と颯太のメッセージのやり取りのスクリーンショットを送ってきた。

由佳が提案したのは、温泉旅行に行くための社内イベントで、家族1人を同伴できるものだった。

龍之介は「なぜ家族同伴のイベントなんだ?」と聞いた。

由佳は照れくさそうな絵文字を送り、「
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