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第480話

颯太はいつも通り、親や年配の親戚にはSNSの公開設定を避けた。彼らに恋愛のことを知られるなら、あれこれと詮索されるからだ。

他の友人や同僚には隠さなかった。彼はこの関係を喜んで共有したかったからだ。

投稿をしてから間もなく、友人や同級生、同僚たちが次々と祝福のコメントを送ってきた。

その中に龍之介からのコメントがあった。「幸せになってくれ」

颯太は返信した。「ありがとう、龍之介」

その後、龍之介はこのTwitterのスクリーンショットを清次に送った。

清次は携帯の画面に映った二人の指を絡めた手をじっと見つめた。目の奥は暗く、底が見えないほどの深さを感じさせた。

写真に写る細くて白い手は、明らかに女性のものであり、彼は三年間由佳と結婚していたので、彼女の手を見間違えるはずがなかった。

龍之介はさらに、コメントや颯太の返信も丁寧にスクリーンショットで送りつけてきた。

投稿には絵文字と写真しかなかったが、コメントに寄せられた祝福や颯太の返信を見る限り、これは明らかに公開された恋愛の報告だった。

清次は手の中のスマホをゆっくりと握りしめ、手の甲に青筋が浮き出た。彼の表情は平静だったが、瞳には怒りが渦巻いていた。心の中に潜んでいた獣が、封印を破って狂ったように吠え、颯太を引き裂こうと叫んでいた。

由佳!

君、本当にいい度胸だな!

昨日、彼女は清次に距離を取らないと約束し、公平に颯太と競争させると誓った。

そして今日、彼女は彼の歩美に対する態度を知り、彼が本気で彼女を好きだと理解した。

なのに、その夜に彼女は颯太と一緒にいるのだ!

彼女は本当にそんなに颯太が好きなのか?

彼を何だと思っているんだ?

清次は歯を食いしばり、喉の奥に酸っぱいものを抑え込みながら、スマホの画面を消した。

彼は無力感に襲われながら、ソファにもたれかかり、片腕を目に当てた。内心では激しい火山が噴火し、赤々と燃え上がる炎が空を染め、黒煙が立ち込め、すべてを覆い尽くしていった。

心の奥底の暗い部分で、ある陰湿な考えがじわじわと芽を出し、冷たく湿った土壌からゆっくりと成長していった。

彼女がそんなに言うことを聞かないのなら、彼女を閉じ込めて、羽を折ってやれば、きっと彼のそばで大人しくなるだろう。

「おじさん、どうしたの?」幼い声が耳元で響き、心配そうな口調だった。

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