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第4話

美咲と僕は、叔母が紹介してくれたお見合いで知り合った。僕たちは当時、どちらも大学を卒業したばかりだった。

彼女は痩せていて、弱々しく見えて、とてもおとなしくて純粋そうだった。

僕たちは三、四ヶ月付き合い、お互いに悪くないと思い、結婚することにした。

結婚生活というのは、二人がお互いに譲り合いながら穏やかに暮らせればそれでいい。

新卒でお金がなかったため、狭い賃貸アパートで暮らすことになった時は、彼女に対して罪悪感を覚えた。

だから、結婚してから彼女が働きたくないと言ったとき、僕は彼女を家にいさせた。

男が稼いで妻にお金を使わせ、妻を養うのは当然だと思った。

もともとゲームが好きだったので、その興味の延長でm大学ではデザインを専攻していた。

学んでみると、それなりに稼げることがわかり、友人たちと一緒にスタジオを立ち上げた。

仕事を受注する担当、顧客対応をする担当がいて、僕は他の二人と一緒にデザインを担当していた。

美咲は家で「絵を学びたい」と言い出したので、まず彼女に絵を描くためのタブレットを買い、10万円のオンラインコースに申し込んだ。

彼女が習得すれば、共通の話題が増えるし、デザインや絵画についても一緒に話せると思っていた。

しかし、彼女は「ついていけない」と言い、デジタルではなくアナログから始めたいと言い出した。

僕は家の近くにある、1時間1万円の実技講習を申し込んだ。

1ヶ月25日間、1日3時間のコースで、3ヶ月間で200万円を超える授業料だった。

評判もよく、マンツーマンの指導で、1人の先生が5人の生徒を指導するという形式だった。生徒は全員女性だった。

彼女は毎日その授業に通い、楽しそうにしていたので、たとえ高くても、それだけの価値があると思い、僕は安心して仕事に打ち込んでいた。

ところが、彼女はその絵画教室の先生、電話の向こうで「鈴木先生」と呼んでいたその真一と関係を持つようになった。

真一は美術大学を卒業した30代の男性で、礼儀正しく、控えめな性格だった。

誰も、この二人が僕を殺そうとしているとは思わなかった。

ここ数日、彼女の様子がどこかおかしかった。突然、美しく着飾るようになり、見たことのない新しいアクセサリーを身につけていた。

そのときは何も気づかず、ただ、「最近綺麗になったね」と褒めていた。

その数日間
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