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第6話

外にはソファが一つだけで、美咲は真一をそこに寝かせた。

彼女は僕のオフィスで一晩中眠ったようで、朝起きると彼女の顔に疲れの色が見えた。

しかし、彼女は僕に冷たい態度を取ることはなかった。

美咲は牛乳を取り出し、ゆで卵を剥いて僕に差し出した。

「旦那、鈴木先生のところで習っているコースがもうすぐ終わるの。また一年分の授業料を払ってくれない?」

3ヶ月で25万円で、一年で100万円だった。

普通の人は一ヶ月で3万円しか稼げず、1年でも36万円、しかもそれは一切使わなかった場合の話だ。

僕に金を出させて、お前は真一と遊びまわるつもりか?そんなこと、絶対に無理だ。

僕は彼女を一瞥もせず、「金はない」と言い放った。

彼女は瞬時に身を起こし、目を見開いて僕を睨んできた。

「金がないはずないでしょ!涼介からのメッセージで、あの注文を終わらせたら数百万円入るって言ってたじゃない。それに、私だって、あなたの口座にまだお金が残っていることは知ってるわよ」

今日はこんなに態度が違うのは、やはり涼介が送ってきたメッセージを見ていたからだ。

「金はない」

彼女は僕の後を追ってきて、

「どうでもいいわ。金を出してくれなきゃ、離婚するから!」と言ってきた。

「いいよ」

美咲は僕がすぐに答えたのを見て、驚いた表情で言った。

「本当に私と離婚する気?」

僕は顔をそむけ、「離婚したいって言ったのはお前だろ」と言った。

彼女は黙り込んで、ソファに座って怒りを露わにした。

僕はソファにいる二人を見たくなくて、デスクに戻って作図を続けた。

夜になって、美咲は僕に温かい牛乳を持ってきた。

「旦那さん、牛乳を飲んで早めに休んでね」

おとといから、美咲が僕を「旦那」と呼ぶのは、何かが起きた証拠だ。

だから、牛乳には何かあると思った。

「後で飲むから、そこに置いておいて」と僕は言った。

美咲は横で言った。

「飲むまで待ってるよ。飲んだら、片付けるから」

彼女は僕をじっと見つめ続けていた。

僕は思い切って賭けに出た。

家には自分を殺せるようなものはないはずだ。

僕は牛乳を一気に飲み干した。すると、彼女の顔に喜びが浮かんだ。

彼女は空のコップを持って部屋を出て行った。

彼女が出た後、僕はすぐにトイレに駆け込み、シャワーの音で隠しながら、喉に指を突っ込み、
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