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第4話

連続する衝撃の痛みに意識が飛びそうになったが、私の視線は狂ったようにクッキーの袋を噛む犬に向けられていた。

頭と額の痛みを構っている余裕はなく、手足を使って必死にもがいた。「どけっ!どけ!この畜生め!」

隆也は私の狂気に驚いたようで、その隙に私は逃げ出す機会を掴んだ。

数歩踏み出し、犬を一蹴してクッキーを取り戻した。

その犬は痛みに悲鳴を上げ、立ち上がってくぐもった声を出しながら美咲の後ろに隠れた。

噛まれてボロボロになった包装袋を見つめ、涙が止まらずにこぼれ落ちた。

涙が破れた包装袋に落ち、中のクッキーを濡らした。それをそっと掴むと、砕けて粉々になった。

美咲は泣きながら地面に跪き、犬を抱きしめて、まるで私が彼女の子供を殺したかのように苦しんで言った。「智美さん、私を恨んでいるのは知ってるけど、何でも私にぶつければいいのに、どうしてルーシーを蹴ったの?あの子は私にとっては子供同然なの。あなたは私を殺すつもりなの?」

そう言って、美咲は涙をこぼしながら顔を上げ、隆也を見つめた。頬を伝う涙が哀れみを誘うように滑り落ち、「隆也さん、私のせいだわ。あなたの邪魔をするべきじゃなかった。智美さんがこんなに私を嫌っているなら、これからはもう連絡を取らないようにするわね」

隆也は顔を変えて、美咲を安心させようとした。「心配しないで。ルーシーが君あなたにとってどれだけ大事かわかってる。ちゃんと責任を取るよ」

彼は再び私の前に歩み寄り、冷たい顔で私を見つめた。

今回は彼が言葉を発する前に、私は彼を睨みつけ、憎悪が彼の顔に穴を焼き付けるかのように言った。「謝るのは彼女の方よ。あなたたち全員、私のさゆりと両親に謝罪するべきよ!」

隆也の視線は、私が胸に抱きしめているクッキーに落ち、冷笑して奪い取り、無造作に地面に投げ捨てた。

もう一方の手で素早く私の髪をつかみ、拾わせまいと抑えつけ、顔を無理やり上げさせて平手打ちを繰り返した。

一度、二度、三度と、あっという間に私の頬は腫れ上がり、口の中は血の味で満たされた。

その犬は私に向かって二声吠え、美咲の腕から飛び出し、クッキーの袋をくわえて噛み始めた。

私はその犬が袋を噛み破り、中のクッキーを床にばら撒き、それが踏みつけられて粉々になるのをただ見ているしかなかった。

胸の奥が血を流すように痛み、その犬を睨みつけ
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