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第 0407 話

海咲が状況を大体把握した後、外に出ると、三、四歳の小さな女の子が竹の下に座り、彼女が渡した飴を抱えてじっと見ているのを見かけた。海咲は近づき、彼女の隣に座った。

「温井お姉さん」小さな女の子は丸い目を輝かせて甘い声で呼んだ。

海咲は尋ねた。「どうして飴を食べないの?」

小さな女の子は目を伏せ、飴を手のひらに握りしめて首を振った。「もったいなくて食べたくないの」

「どうして?」

彼女は無邪気に言った。「さっき、みんながこの飴はとてもおいしいって言ってたの。今までで一番おいしい飴なんだって。食べたらなくなっちゃうから、取っておかなきゃ。ちょっとだけ舐めれば、ずっとずっと楽しめるんだ」

彼女は舌で慎
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