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第 0413 話

彼はそばに置いていた酒を手に取り、一口飲み始めた。

ずっと理性的で、海咲の背後に控え、理性的に友人としての距離を保ってきた。

海咲への想いを打ち明けるのも、少し酔ったとき、酒の勢いを借りてようやく口にするくらいだった。

しかし、それ以上踏み込むことはできなかった。

彼には、海咲が州平を好きだとわかっていた。

だから、海咲に負担をかけたくなくて、彼女を尊重することを大切にしてきた。

州平のように大胆に愛を示すことはできないのだ。

愛される側にはどこか強さがあり、彼は州平が羨ましかった。海咲の愛を受けられる彼が羨ましかったのだ。

軽く苦笑すると、酒杯を満たし、一気に飲み干した。

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