第 0414 話

州平は室内を見渡し、全体の広さが彼らの寝室よりもずっと小さいことに気がついた。そして、中に入ると、あるのは海咲のものだけだった。

海咲はいつも整理整頓を心掛けており、この部屋も清潔で整っている。

だが、ドアのそばに置かれたウサギの模様がついたふわふわのスリッパには驚いたようで、海咲をちらりと見た。

海咲は少し落ち着かない様子で、スリッパを片付けつつ尋ねた。「もう見終わった？」

州平は二人用のソファに目をやり、低い声で言った。「ここでの暮らしは慣れたか？」

「まぁ、なんとかね」

州平は少し眉をひそめ、「このアパートは狭いし、家具も足りないし、うちとは比べものにならない。おまけに召使いもいないし、