共有

第 0057 話

それを見て、有紀はグラスを受け取った。「森田社長、温井さんはお酒が飲めないので、私が代わりに飲みます」

森田社長は気を悪くした。「それはつまらない」

有紀は少し気まずくなった。彼女は社会経験が乏しく、機転を利かせた対応ができなかった。また間違いを犯すことを恐れ、臆病になっていた。

「温井さん、部下に酒を飲ませちゃダメだよ」

二人が女性だったため、森田社長はより勝手な振る舞いをした。言葉遣いもそれほど丁寧ではなかった。「おまえは叶野社長の代理だろう?叶野社長がいるなら、きっと一緒に飲んでくれるよ。来たからには、馴染まないとつまらないよ」

「さあ、俺が注ぐから、今夜は思いっきり飲もう」

他の人たち
ロックされたチャプター
この本をアプリで読み続ける

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status