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第 60 話

Author: 水原信
彼が去った後、中からは悲惨な悲鳴だけが聞こえてきた。

海咲は長い夢を見た。夢の中で、悪魔が彼女を追いかけていた。

逃げたくても逃げられなかった。巨大な恐怖が彼女を包み込み、息苦しくて死にそうだった。

彼女は泣きじゃくり、涙がこぼれ落ちた。

州平はそれを見て、彼女の目じりの涙を拭いた。

海咲は高熱を出していた。

有紀はそばで泣いていた。彼女は助けを呼びに行こうとしたが、入口で州平に出会った。彼が間に合ってくれてよかった。さもなければ、想像もつかない結果になっていただろう。

有紀は泣きながら言った。「葉野社長、すべて私の責任です。私が温井さんの面倒をちゃんと見ていなかったから、温井さんが熱を出して
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