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第 0061 話

浴室のドアを開けると、海咲が浴槽に座り、体を力強くこすっていた。彼に聞かれるのを恐れて声を出さなかった。

「海咲、やめろ!」

彼は急いで近づき、自分を傷つけている彼女の手を掴んだ。

彼に掴まれると、海咲は目を赤くして避けようともがいた。「触れないで、汚いから……」

「汚くないよ」州平は低い声で、彼女が自分を傷つけないように体を抱きしめながら言った。「君は汚くないんだ」

海咲の頭の中は、テーブルに押し付けられる光景だけでいっぱいで、全身が嫌悪感に包まれた。州平に触れられるだけで自分が汚れていると感じた。彼女は首を振って言った。「慰めないでよ。汚いのはわかっています。私だって自分が嫌いんだから!」
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