第 0065 話

歩美は反抗する機会もなく、顔が真っ赤になり、悲鳴を上げた。

今までこんな仕打ちを受けたことがない彼女は、怒りで爆発しそうだった！

海咲は冷たい声で言った。

「叩かれなければ、叶野グループでどう生き残るかなんて分からないでしょう！」

「温井海咲、あなたは何の権利があって私の部下を打ったの！」

騒ぎが大きくなり、みんなが見物に集まってきた。

佳奈がこの事を知り駆けつけると、彼女の部下が海咲に打ったれているのを見て、目を見開いて二人を引き離した。

彼女の部下が打ったれたのは、自分の顔が打ったれたのと同じことだった。

歩美は助けが来たのを見て、泣き声を上げた。

「田中さん！」

彼女は顔を押さえて佳奈の