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第 0041 話

うるさいベルの音が、さらに場面を静かにした。

州平は海咲の上から身を引き、欲望に満ちた目で彼女を見つめた。しかし、その視線には複雑な感情が混じっていた。

彼女が愛する男の名前は、湛ちゃんだった。

だからこそ、彼は彼女の最も大切なものを奪うべきではないと感じた。

彼は深く息を吸い込み、心に燃え上がる炎を抑えながら、スマホを取り出して画面を確認した。表示された名前を一瞥し、音を消してポケットに戻す。

「シャワーを浴びてくる」と、かすれた声で言い残し、浴室へ向かった。ほどなくしてシャワーの音が聞こえてきた。

海咲は静かにベッドに横たわっていた。正直に言えば、少し失望していた。

彼があの状態でも自制で
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