第 0040 話

彼女にとっては一生忘れない記憶だが、州平にとっては取るに足らないことだった。

彼女は少し悲しくなり、州平にとって何が記憶に残る出来事なのかと考えた。

「どうして黙っているんだ？」と州平は苛立ち、彼女が沈黙を守っているのを見ると、彼女の顎を持ち上げて言った。

「図星か？」

海咲は彼を見つめ、その冷たい瞳をじっと見て尋ねた。「州平、あなたの心に最も印象的な経験は何かありますが？」

州平は彼女を見つめ、瞬間的にぼんやりとし、頭の中にぼんやりとした少女が現れ、頭を振って海咲の手を強く握った。「まだ答えていない、そんなに彼が好きなのか？」

「私は確かに彼が好きです」と海咲は言った。

その一言が州平の心の