第5話

私の「インフルエンサー」活動は順調に進み、最初のビデオが大ヒットしました。

コメント欄は次のようなコメントでいっぱいでした。

「まるでママの味がするね」

「おばさん、すごく上手だね。野菜を洗うところから真似して作ったら、すごくおいしかったよ」

「今日は紗織おばさんを電子ママに任命します」

娘は興奮してスマホを持ってきて私と共有しました。

私は見ていて涙が落ちました。

以前、健太のために料理を作ったとき、彼はいつも不満そうでした。味が薄いとか、油が多いとか、甘すぎるとか、辛すぎるなどと文句を言っていました。

結局、彼の憧れの人が作ったラーメンが最高だと言っていたのです。

「あの頃のラーメンは本当にうまかったよ。千鶴はだしを少し入れただけなのに、僕は一生忘れない」

当時は理解できませんでしたが、だしを入れただけのラーメンがなぜおいしいのか。

離婚して、結婚生活から抜け出た今、ようやくわかりました。おいしいのはラーメンではなく、それを作った人のことです。

娘が私の涙を拭いながらからかいました。「ママ、子供みたいだね。すぐに泣くんだから」

彼女のキラキラ輝く目を見て、私は涙をのんで笑いました。

健太は色々と悪い点がありましたけど、私に残してくれた娘はとても心遣いができました。

娘と笑いながらコメントを見ていると、電話が鳴りました。

知らない番号からでしたが、特に考えることなく出ました。

すると、電話の向こうから健太の弱々しい声が聞こえてきました。「紗織、なんで家にいないの？お粥を飲みたいんだ。お酒を飲んで、胃がすごく辛いんだ」

心の中には無名の怒りが湧き上がりました。

私は彼のメイドですか？酔っ払っても私に電話して、お粥が飲みたいから24時間待機しろって言うんですか？

昔はそうしていましたが、彼は私を見下していて、自由でロマンチックな千鶴が好きでした。

私は深呼吸をして、電話に向かって怒鳴りました。

「離婚したんだから、なんでお前のために世話を焼かなければならないの？健太、夢見すぎだよ！

お粥なんて何が良いんだよ？千鶴にしょうゆだけ入れたラーメンを作らせなよ！

なんで千鶴のラーメンを食べないの？おいしくないから？

それに、お前の胃が辛いのは私のせいじゃないでしょう？私がお酒を飲ませたわけじゃないでしょう？

飲んで飲んで、ど