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第103話

藤沢修は午後三時まで寝ていたが、松本若子が彼を起こした。ところが、藤沢修は起きる気がなく、体を反転させて再び寝ようとした。どうやら寝起きが悪いらしい。

「修、起きて、もう寝ちゃだめだよ」彼女は彼の手を掴み、軽く揺らした。

藤沢修は面倒くさそうに彼女の手を払い、布団を頭まで引っ張って隠れた。

松本若子は困ったように首を振った。どうして彼はこんなに子供っぽいんだろう。まるであの威厳ある大総裁とは別人みたいだ。

彼女はしばらく考えた後、浴室に行き、タオルを水で濡らして、軽く絞り水滴が垂れない程度にしてから、ベッドに戻り、冷たいタオルを彼の顔の上に投げた。

ぽたっという音とともに、冷たい感触が彼の顔に広がり、藤沢修は驚いて目を見開いた。顔の前に白い何かがかかっていることに気づくと、

彼はタオルを掴んで目覚めた。隣に座っている彼女を見て、眉をひそめた。「お前、俺を殺す気か?」

松本若子の顔が赤くなった。「何よ、殺すだなんて大げさな!寝坊したのは誰のせいよ?」

もし彼女が本気で彼を殺すつもりなら、枕で息を止めた方が早いだろう。

「お前が寝ろって言ったんだろ?今度は俺が寝坊してるとか言って、ほんとにお前は......」彼は眉をひそめ、少し不機嫌そうに言った。

まるで赤ちゃんが起こされて不機嫌になっているようだ。

どうやら大総裁にも寝起きの悪さがあるらしい。

「このまま寝続けたら、夜に眠れなくなるでしょ?それでまた明日も昼間に寝て、時差が狂ったらどうするの?あなた、昼間は仕事があるんだから、夜型人間になれるわけないでしょ?」

彼の体調を心配していたからこそ、彼女は起こしに来たのだ。

藤沢修はため息をつき、疲れたようにベッドから起き上がった。

「今何時だ?」彼は尋ねた。

「午後三時よ」と松本若子は答えた。

その瞬間、藤沢修の腹がぐうぐうと鳴り、少し空腹そうな様子を見せた。

松本若子は彼のお腹を軽く撫でた。「お腹空いた?」

彼女が手を触れると、その筋肉がしっかりしていて、彼女はついついその手を離したくなくなった。手は自然に彼の腹筋へと上がっていった。

藤沢修はその手の動きに気づき、目を細めて邪悪な笑みを浮かべた。「何をしてるんだ?」

松本若子は、まさに彼の筋肉を色っぽく触っていることに気づき、驚いて手を引っ込めた。その手のひらが彼の温かい筋肉に
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