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第8話

私は景山の懐に転がり込んで、衰弱に彼に微笑んだ。

「そなたらが綾夏の仇を討ってくれぬ。ゆえに我がやるしか」

「烏森殿は魔族と内通した。景山殿は、我を信じてくれぬか」

血を吐き出した私の耳元に、烏森の悲鳴が響いた。

「景山殿!其奴を信じてはならぬ!其奴は腹黒の悪女じゃ!景山殿を利用しておったのじゃ!景山殿を愛してなどおらぬ!」

私は必死に景山の召し物を握りしてめ、再び血を吐いた。

寝殿内で漂っていた微かな香りがの鼻に入ってきた。景山の見えていない隅で、私は烏森に一抹の笑いを見せた。

寝殿ないで閉じ込められていた烏森は、ただでさえ苛立っていた。

今になって、天界のものも皆、彼女が昔のあの洒落者の天女ではなくなり、落ちぶれたのを見破った。

彼女の身辺の侍女を買収するのも、ちょろかった。

嗅がせていれば、彼女が我を失われるようなお香を焚いていれば、彼女が確実に血迷う。

烏森は再び、私のほうに飛びついたが、途中で景山に突き飛ばした。

彼は嫌悪の表情で、顔を潰された彼女を見て、冷たく言った。

「悪女め」

「魔族と内通するのは、死に値する重罪じゃ」

景山の緊張に満ちた呼吸音を耳にして、私は完全に気を失っていた。

......

再び目を覚ましたら、綾夏はすでに私の牀榻の前に座っていた。

彼女の目は泣きすぎたせいか、ひどく赤かった。私が目を覚ましたのを見て、彼女を慌てて声に出て聞いた。

「どう?具合は?」

私は笑いながら、彼女の手を軽く撮んだ。

「大事ない」

綾夏が泣き止んだらと思えば、すぐに笑い出した。

「成功したのじゃ」

「烏森の寝殿から、魔族と内通した証の文が出てきて。其奴はもう牢屋に放り込んだのじゃ」

「そして、王妃を刺し殺そうとした罪も、まとめて、咎められるそうじゃ」

「天君の勅命によると、其奴は畜生として生まれ変わり、未来永劫、輪廻の苦しみを繰り返すのじゃ」

私は頷きながら、ほっとした。

脳天にぶら下がっている幔幕を見ながら、私は小声で言った。

「綾夏、ここを離れようよ」

「揚州に戻って、我らに相応しい暮らしをするのじゃ」

綾夏はなんとなく躊躇っていた。

「彼らは我らを見逃してくれまい」

私はゆっくりと座り上がって、彼女の手を取った。

「くれるのじゃ」

......

その夜、ことを全て処理済みの景山が
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