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第4話

私は呆れて笑い出しってしまった。

一方で、景山はなんとなく態度を柔らかくしてくれた。

「ほら、和葉が心配しておるのは分かっておる。なれど、無関係で無辜の人に当たるのは筋ではあるまい」

「そなたは、烏森藍璃は白じゃと思っておるか」

私は真っ直ぐに景山の目を見つめたが、彼はそわそわしながら、目をそらして、二度と口を効かなかった。

烏森は得意げにドヤ顔で私を見ながら笑った。そして、彼女は衰弱したか弱さに戻り、景山のふとことに寄りかかった。

私は頷きながらが、そう告げた。

「よかろう」

「景山殿、今後後悔しなといいが」

私が偏殿に入った時、景河は綾夏の亡骸を抱き締めながら、ぼんやろとしていた。

私が来たのを見て、彼は何かを言い始めた。彼の声は震えていた。

「ありえない。綾夏が’死するなんてありえない」

「そんなはずじゃなかった。余は......余は綾夏がずっと前から魔族と内通していたのを判明したはずじゃ」

「魔族の連中は、綾夏に害をなすはずじゃが......」

私は何の表情もせずに、彼を押し退けて、代わりに綾夏を抱き締めた。

「そなたは長年側にいてくれた妻よりも、他人を信ずることにした」

「五十嵐景河殿、今更悔やんでも、もう間に合うまい」

景河は沈滞した顔で綾夏の亡骸を見つめた。

「間に合う。間に合うのじゃ、余が侍医を呼んで、治療すればきっと治るはずじゃ!」

「余は真相を明らかにして、綾夏の名誉を挽回するのじゃ!」

私は景河のことを皮肉った。

「去ね!今の綾夏はそなたの顔など、見たくもないのじゃ」

......

「誰も入ってななりません」と命令した私は一晩中、綾夏の側で座っていた。

景河は土下座をしたまま、一晩中偏殿の外にいた。私はその後、彼が当日側近でついていた衛兵の全員を牢屋に打ち込め、拷問したうえ、侍医の全員を偏殿まで連れ込んだという噂を耳にした。

しかし、彼も私も、もう手遅れだと言うことを誰よりも、はっきりと分かっていた。

私は綾夏の亡骸を抱えて、偏殿の隠し通路でこっそりと逃げ出してすぐ、輪廻の井戸までついた。

背後から喧騒と叫びがしてきた。

明らかに、私が綾夏を連れてここにきたことがばれたのだ。

綾夏をきちっりと抱き締めて、底の見えない井戸を見ながら、私は自分だけが聞こえる声で自分を励んだ。

「綾夏、もし
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