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第7話

晴子の胸の苦しさが徐々に明らかになり、すぐに全身が冷や汗で覆われ、視界がぼやけ始めた。

「深川さん」晴子の涙がサッと流れ落ち、手足が制御できないほど震えた。「私が死ねば、あなたは私を解放してくれるの?」

「死ぬ?」

深川は身を乗り出し、一気に晴子を引っ張り出した。「夢夜、俺がどうしてお前を死なせられるだろうか?」

男の力は晴子が振り解けないほど強く、全身に無力感が広がった。晴子は歯を食いしばり、必死になって深川の手にある注射器に目を向け、全力で注射器を床に叩きつけた。

「薬はいくらでもある。お前に砕く力があるなら、全部砕いてみろ!」

深川の怒りは急激に高まり、片手で晴子をベッドから引きずり降ろし、膝で晴子の腰を押さえつけ、もう一方の手で彼女の顎を掴んだ。別の注射器を取り、片手で器用に操作した。

「おとなしくしていろ。間違えて打ったら、お前のかわいい弟に二度と会えなくなるぞ」

深川は彼女の耳元でささやき、同時に薬液を晴子の腕に注射した。晴子は徐々に抵抗する力を失い、その無限の絶望感が毒のように、痛みとともに心に広がっていった。

深川は立ち上がり、注射器をゴミ箱に投げ捨てた。ネクタイを緩め、ボタンを数個外し、ベッドの端に座った。

パチッという音とともに、彼はタバコに火をつけた。煙が立ち込める中、鋭い眼差しに怒りが混ざり、高みから床に伏せる女を見下ろした。

晴子は顔を上げた。べたつく汗で髪が頬に張り付き、荒い息をしながら低い声で尋ねた。「深川さん、そんなに私を憎んでいるの?」

「夢夜、お前の目には俺がそんな下劣な人間に見えるのか?」深川は歯ぎしりし、タバコを消した。手元にあった全ての注射器を晴子の前に投げつけた。

そのとき晴子は、それが媚薬の解毒剤だったことに気づいた。

晴子は死からの生還のように大きく息をし、顔を上げて深川に感謝の言葉を言おうとしたが、先ほどの自分の振る舞いが恥ずかしくなった。彼女はもごもごと言葉を探したが、まともな文章を作れなかった。

「夢夜、俺の元に戻れと言っただろう」

深川の元に戻る?

それは晴子が想像すらできなかったことだった。

晴子は何度も首を振り、深川を見つめながら冷静に言った。「緩利依織が死んだわ」

「お前は緩利依織じゃない。お前の末路は彼女とは違う」深川は平然とした口調で、手でテーブルを軽く叩いていた
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