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第13話

すべてがようやく一段落した。兄のこの無茶苦茶な結婚生活も、彼の失踪によってついに終わりを告げたのだ。

あの日、病室で義姉が去った後、私は兄が病院に来ていないことに気がついた。何度電話をかけても応答はなく、家中どこを探しても姿が見つからなかった。父は多くのつてを頼って調査し、ようやく彼がタイ行きの飛行機に乗っていたことを突き止めた。だが、その先の情報を求めてタイの友人に聞いたところ、兄はあるグループに連れられてミャンマー北部に入ったという目撃情報があり、それ以降の消息は完全に途絶えた。

母はその話を聞いて涙を流しながらも、「こんな畜生、たとえミャンマー北部に連れて行かれなかったとしても、私が叩きのめして牢屋に入れてやるところだった。実の妹まで害そうとするなんて、どうしてこんな畜生を産んでしまったのか!」と悔しそうに呟いた。

元義姉の弟は刑務所に収監され、しばらくは出てこられそうにない。義姉の母も病に倒れ、義姉は再び一家の面倒を見るために帰るしかなくなった。そして去る際、彼女は娘をこちらに置いていった。

「女の子なんて金食い虫よ。男だったら、私がこんな目に遭わずに済んだのに」

義姉のその歪んだ価値観は、もうどうしようもないだろう。ただ、姪がうちで健やかに成長し、自立心を持った強い女性になってくれることを願うばかりだ。

(終)
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