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第11話

警察署で事情聴取を終えた後、私は精神的なダメージを理由に一足先に帰宅した。

ドアを開けると、まだ家族は全員起きており、兄夫婦と義姉の両親がリビングでテレビを見ていた。一方、母は二階の部屋で家政婦と一緒に孫を見ていた。

私が入ってくると、全員が驚いた表情を浮かべた。義姉が真っ先に反応し、まるでエックス線のような目つきで私を上から下まで見回した。

「どうして戻ってきたの?」

その声があまりに大きかったので、母が気づいて急いで降りてきた。私を見ると、驚きと喜びが入り混じった表情で、駆け寄り、腕をしっかりと掴んで、「芸子、どうしてそんなにやつれてるの?すぐに家政婦さんにスープを作ってもらう」

その場の視線が一斉に私に注がれる中、私は母の手をそっと振りほどき、声を震わせながら泣き出した。「お母さん…あの悪魔が…」

「上手くいったのね!親戚としてまた縁を深めることができるわ」

義姉の母は得意げになって、思わず口に出してしまった。

「何を言っているの!芸子、どうしたの?」と義姉が慌てて母親を止めたが、その顔にも興奮を隠しきれない様子が表れていた。

「芸子、何があったの?お願いだからお母さんを心配させないで」と母は不安げに私を抱きしめた。

「私は大丈夫。でも、ある人がレイプ未遂で捕まったの」と私は顔を拭いながら彼ら一家を一瞥し、最後に真っ青な顔の兄に視線を向けた。

「私は、誰も逃さない」

「どういう意味よ?」と義姉が問いかけようとした瞬間、彼女の携帯が急に鳴り、彼女は眉をひそめながら電話に出ると、表情が一変した。「なに?刑事拘留?お母さん、健二が拘留されたのよ、急いで警察署に行かなきゃ!」彼女は私を気にする余裕もなく、机の上にあった車のキーを掴んで慌ただしく出て行った。

義姉の母もこの知らせに衝撃を受け、一瞬気を失いかけたものの、警察署に行きと聞き、なんとか持ちこたえて娘についていった。義姉の父はその場に取り残され、状況を把握しきれていない様子だった。

母も呆然としたままで、しばらくしてようやく事態を飲み込むと、キッチンに駆け込んで包丁を手に取り、義姉の父に向かって怒り狂いながら「お前たち一家は、うちの娘に何をしたの!命をかけて償わせてやる!」と叫びながら突進した。

私は慌てて母を引き止めようとしたが、母は急に意識を失い、倒れこんでしまった。

その場
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