これを運の良いものか悪いものかのどちかを決めようがなかった。椿が奈央を誘うかどうかで迷っていた時には、奈央とバッタリ会うという展開にはならなかった。彼はなんとなく心に穴が空いたかのような寂しい雰囲気で、歩き出してエレベーターに入った。エレベーターのドアがもう少しで閉まってしまうところに、「待ってください」という掛け声と共に、誰かが手を伸ばして、閉まりかけのドアに当てた。「霧......」椿はその人の顔を見た突端に、口に出ていなかったその名前の残り半分を呑んでしまった。自分の後ろを追ってきたのは奈央ではなく、正装姿の女性だった。「宇野様のご自宅もこのマンションですか」彼女は明らかに椿のことを知っているから、そこまでびっくりしてしまったのだ。あの有名な宇野椿が、この名臣レジデンスに住んでいるとは!?あまり印象に残っていなかった女性だったので、椿は聞き返した。「そうですが、どちらさんでしょうか」「礼服ブランドDRのものです。この前、宇野様は関谷様と一緒にご来店して、礼服を一着注文しました」女性はそんなふうに答えた。そのことに対する印象はすっかり薄くなったが、椿は礼儀よく頷き返した。その後は、無言のまま沈黙が続いた。椿は口を開こうとしなかったので、その女性も次第に沈黙を選んだ。間もなくエレベーターはある階層で止まったが、二人は同時に外に出た。椿は眉を顰めて、聞いた。「お住まいもここでしょうか」「いいえ、違います。ここに住んでいる客に礼服を届けに来ましたの」というのは女性の答えだった。椿はある嫌な予感がした。彼が今までに、この階で会ってきたお隣さんといえば、奈央の一人だった。「客とは?」「これは......」女性は答えに戸惑った。客の個人情報を漏らすなんてことはできない。「言えませんか」椿の口振りは一変した。彼の言葉には脅し文句はなかったが、彼の出していたそのオーラが凄まじくて、断れようがなかった。「霧島様という女性の方です」状況も状況だったので、その女性はやむをえず、話してしまった。何せ椿の恨みを買っても、良いことは何一つもないのから。これで、椿は奈央が礼服を注文したことが確定できた。けど、彼女が礼服を注文してどうする?まさかお爺さんから招待状でも貰ったか。
再び喧嘩別れになって、二度と椿に顔を合わせないように、奈央は真剣に引っ越しのことを検討した。向かいの部屋では、椿は直接戦場ヶ原尭之に電話をした。「宇野様、この時間に電話とは、昔話でもするつもりじゃないでしょうね?」この二人の間では、落ち着いて話し合えるような昔話なんてないのだ。椿は力強く、手でスマホを握りしめていた。「霧島奈央に近つけてるなって言ったはずだ!俺の言ったことを聞き流したようだな?」「宇野椿、何様のつもりなんだ?どうして俺はお前なんかのいうことに従えなければならないんだ?」電話の向こうの尭之は、椿の大人気なさで呆れて、鼻で笑った。「ここんとこ、かなり大変な日々が続いているだろう」椿は急に話題を変えた。わざと会話の中に空白を作ってから、話を続けた。「戦場ヶ原家の連中はずっとお前がへまをするのを待っているようだが、今のそれはまさに相手に隙を見せるのもう同様だ。そんなことして、絶対連中に攻められてしまうと思うが、しかも容易には抜けないだろう」尭之は無言になった。悔しいけど、言葉が出なかった。宇野家は流石に泉ヶ原での一流名門だけあって、なかなかの手技量だった。戦場ヶ原家は宇野家とは大層な差がないとお見込んで、彼はこの前椿の言った戦場ヶ原家に手を出すという言葉を真面にしていなかった。けど向こうがいざ本気を見せたら、両家の間での実力の差は実在していると、尭之はやっと理解できた。例えば、今の尭之が連続に連携を打ち切られて、戦場ヶ原家の他の人間の不満に囚われているのも、椿は裏で手を回したことが原因だった。そして加えに、実家のものどもは、戦場ヶ原家がこんな目に遭ったのは自分が椿に目の敵にされていたからだということを知っていた。そのため、連中は即座にも、彼を引き攣り下ろそうと企んでいた。「霧島奈央のそばを離れると約束すれば、戦場ヶ原家を納めることに力添えをしましょう」椿からそんな条件を出すなんて珍しいことなんだ。これもきっと、彼は尭之のことを尊敬すべきライバルだと認識していたからだ。他の人が相手だったら、彼はきっと話す余地も与えずに、容赦無く手をかけただろう。椿は孝之には自分を断る理由がないと踏んでいた。何しろ、この男は本心で奈央のことが好きじゃなかった。戦場ヶ原家と比べられたら、奈央はそれほど重要
この夜、椿はあまりよく眠れなかった。彼は夢を見た。その夢の中では、彼は奈央と婚姻届を出した日にタイムスリップした。ただ違ったのは、今回はお爺さんにお任せしたのではなく、彼が自分で奈央と共に市役所に婚姻届を出しに行った。現実での顔を合わせていなかった二年間の婚姻生活とは違って、彼はその時に、奈央に会った。その後の展開もまるで異なった。けど、目が覚めたら、彼はこれを夢だと気付いた。病院でのは奈央は、午前中の手術を終えて、息抜きのできる午後を効率よく利用して、自分のオフィスでカルテを整理していた。彼女が大旦那様からの電話を出たのはちょうどその時だった。電話の内容はもちろん、彼女を誕生会に誘うことだった。「奈央よ、十年でこの一度から、きっとお爺さんの誕生会に来てくれるよね」大旦那様はそうやって言葉で粘った。「お爺様、時間通り行きますよ」奈央は丁寧に答えた。「それならよかったのう」大旦那様は満足そうに電話をきて、我が孫と奈央の初対面を楽しみにしていた。この時の大旦那様は、まだ椿が離婚した次の日にすでに奈央に会ったことや、椿が奈央が自分の元妻だとも知らずに好意を抱いてしまったことをも知らなかった。電話を切って、もう一度作業に潜ろうとしたところを、誰かがオフィスのドアにノックした。顔を上げると、あそこに尭之が立っていた。「どうしたの?わざわざここに来て」奈央は困惑の表情をしていた。「昨日の礼服、気に入ったかな確かめに来たのよ」というのは笑顔で奈央に返事した彼の建前で、内心では昨晩の椿の電話で不快を覚えたから、先手を打つために急いできたのだ。奈央は尭之の選んだ礼服をもう一度思い出した。実にオシャレで凝ったデザインだったが、彼女の好きなスタイルではなかった。ただ贈り物だったので、好き嫌いをいうのは行儀が悪いと思い、彼女はお世辞をも兼ねてこう言った。「なかなか上品な礼服だ。いくらしたのでしょうか。お金を渡さないと」「金だなんて他人行儀をするとは、水臭いよ」尭之は気を悪くした。自分が何をどうしても、奈央の心を許す人にはならなくて虚しい気がした。「いや、ただ......」「俺のパートナーになってくれる報酬だと思えば、気持ちよく受け取れるよね?」尭之は仕方なくこんなふうに言った。そ
「宇野家は奈央のことを誘わないと思っていたが」孝之は不満そうに、口をへの字にして言った。「宇野椿のやろうに誘われたか」「違うの。大旦那様からの誘いなんだ」いくらなんでも、彼女は椿の元妻で、肝心なのは大旦那様とは親しくお付き合いさせていただいているので、向こうから誘われても無難はなかった。奈央の口からをそれを聞いて、尭之はちっとも嬉しくはなかった。「あのオヤジとはここまで親しいなんて、ちょっと意外だな」「まあ、それなりに親しいよ」奈央は頭を縦に振った。二人の周りの空気が固まってしまった。尭之は奈央の顔をちらっと見て言った。「じゃ明日、時間通りに向かいに来るから、いいんだね?」「うん」奈央はそれに応じた。一度約束したこと、彼女は破りたくないのだ。それから尭之は席から立ち上がった。彼がちょうど門のところに出て時、奈央はいきなり次のことを聞いてきた。「実は、ずっと気になっていたのだ。戦場ヶ原さんと宇野さんの間では、一体何があった?」宇野家と戦場ヶ原家との間で、揉め事や互いにへの恨みがあったのは一度も聞いたことがなかったが、尭之の立ち振る舞いからして、二人の間では、大きな何かがあったのは間違いないようで、彼女は確かに気になっていた。尭之の手が微かに震えていて、何か良からぬことでも思い出し奏のようで、顔色は悪かったが、いくら待っても口を開くことはなかった。「すまない、言いたくないのなら無理しなくていい」彼女はついでに聞いたつもりだったが、尭之の反応がここまで激しいとは思わなかった。沈黙は長く続いた。そして、尭之は振り向いて、奈央の前にあった椅子に再び座ってから、ゆっくり言った。「酒はあるか」「は?ここは病院だよ」奈央は彼を注意した。「それなら、水を一杯いただくのは文句ないだろう」尭之は彼女を白い目で見た。どうして椿がこの面倒見の悪い女に惚れたか理解できなかった。それを聞くと、奈央は立ち上がって、水を一杯取ってきて、彼の手前においた。尭之はそれを手に取り、一口を飲んだ後、やっと落ち着いた。「実は俺はあいつとは個人的な恨みはないんだ。俺はただ宇野家の人間が気に食わないだけだ。あいつが宇野じゃなかったら、俺はやりあうなんてしなかった」彼はじわっと語ってくれた。手で頭を支
戦場ヶ原尭之という男は、きっと人に殴られたことが一度もなかったのだ。そうでもない限り、あんなふうに軽々しく人を挑発するような発言はできないと奈央は思った。深呼吸して、奈央は自分を強制的に仕事に潜らせた。椿が暗いのが苦手な原因に至っては、彼女は探求しないことにした。別に知りたいわけでもなかったし、彼女とは関係のない話なのだ。病院で夜遅くまで働き続けた彼女は、運悪くマンションに戻った時に、椿と鉢合わせた。引っ越すというのは、一刻も早く進めないといけないのだ!エレベーターの中で、奈央は隅っこに身を寄りかかり、椿の存在を完全に無視した。暫くして、我慢できずに、椿は先に口を開いてしまった。「うちのお爺さんが電話したか」「宇野さんは、私に話しかけていたのか」奈央は顔をあげて、わざとそれを聞いた。椿の顔色はなんとなく暗くなったが、彼は怒り出さないように自分の感情を必死に抑えていた。「じゃなかったら、ここに他に誰がいるというんの?」「あ、そう」奈央は心ここに在らずに返事してから、こう言った。「したけど」「じゃ、行くのか」椿はまた質問をした。「お爺様のお誘いなので、行くに決まってる」というのは彼女の答えだった。椿がまだ何も言えなかったうちに、彼女はすぐ言った。「宇野さんがもし私の顔が見たいないというのなら、私はできる限り宇野さんのことを避けて、必ず会わないようにすることを約束する」この宴会の主人として、椿が自分の顔を見たくないのも無理はなかった。誰であって、自分のことをクソミソに罵った人に会うのが嫌だろう?「霧島奈央、俺のことを誤解してるようだ。しかも、かなり深く」椿は不意に奈央にそう言った。自分は一体何をどうしたらこの女にここまで誤解されたのか。本当のことは、彼女のほうが自分を会いたくないだろう?奈央は肩をすくめて、椿の言葉をどうでも良く思った。彼女と椿の間での誤解事はもうやまたくさんだった。一つや二つ増えたところで、痛くも痒くもないのだ。困難や悩み事など、いくら山積みしていても、なんとかなるので、心配することはない。話をしているうちに、エレベーターが二人の住む階層に止まった。奈央は真っ先にエレベーターを降りて、一刻も早く家に帰ろうとした。これ以上椿にここで絡まれてはたまらないのだ。
二人は適当な席に座った。椿のこの場所への嫌という気持ちは隠さずに彼の顔に出ていた。そんな顔をしていた椿を見て、奈央は我慢できずに笑ってしまいそうところだった。「宇野さんのこのような環境には慣れてないようだな。それならどうして名臣レジデンスに住むことにしたの?宇野邸だったら、その周りには決してこのような露店は出来なkったのよね」宇野邸が占めしてるのは別荘がざっと並ぶエリアで、環境に優れている上、住人の数も少ない。確かに椿のような、環境にうるさい人にはピッタリだ。椿は返事をしなかった。結婚する前の彼は確かに、宇野邸に住んでいたが、結婚した後、奈央があそこに住むようになってから、椿は無性に戻りたくなくなり、会社近くのマンションに住むようになったわけだ。そして離婚した彼は、宇野邸に戻ろうと計画していたが、まさかそのタイミングで彼は奈央に出会ってしまった。彼はひょっと名臣レジデンスを出れなくなった。奈央は数秒彼を見つめていて、ふと何かを思いついたように、にやついた。「宇野さんも大変だったなあ。結婚したら逆に我が家に帰れなくなる身になったなんて」奈央の言葉はなんの遠慮もなく尖っていたが、椿は一向に気にせずに、薄い微笑みを浮かべながら言った。「奈央だっていきなり妻ができたって言われたら、同じことをするだろう」「私を一緒にするな」奈央は蔑みの目で椿を見て言った。「私はなるようにしかならないという言葉の意味を知っている。逃避ばかりする誰かさんとは違う」せめて、彼女なら相手と会って、ちゃんと話をするのだ。会いもせず、話しもせずにほったらかしする椿のようにはならなかったのだ。クズ!彼女は心の中でそう叫んだ!椿は何も言い返せなかった。今思えば、彼のやり方には大いに問題があった。けど、あのごろの椿の心は怒りに篭っていた。いきなり自分の妻となった霧島奈央という女性に対して、明白な好き嫌いはなかったが、恨みを抱いていたのは確かだった。これぞ諸行無常ということだ。彼が再び奈央に出会えてしまうことは誰もが予想できなかった。「この前は悪かった」これ以上自分の所業を屁理屈で弁明するのではなく、椿は素直に謝った。「ごめんなさい」椿の口から、「ごめんなさい」という言葉が出てくるなんて、奈央は実に驚いたが、すぐ我を取り戻し
向かいの席に座っていた男はただひたすら酒を飲んでいて、いくら待っても理由を教えてくれなかった。そのまま彼を眺めていた奈央の頭には、急に何らかの予想が入り込んだ。この予想は滑稽だったのにもかからず、この時この場では、椿の全ての行動に噛み合うほど合理的に感じる。「宇野さん、あなたまさか私のことが好きなんじゃない?」奈央は椿のことを見つめて、笑いながら聞いた。彼女は男が仏頂面で否定するのだと思っていたが、いつまで待っても、男は何も言ってくれなかった。奈央は動揺した。そして、彼女自身はしっかりと心の揺らぎを感じた。「宇野椿、頭がいかれてたか」椿は酒グラスをおいて、視線を奈央に向けた。「お前が好きイコール頭がイカれてる?これはどんな理屈だ?」「他の人なら話が別だが、あなたなら絶対そうに違いない」奈央はそうと答えた。状況を分かっているのか?私はあなたの元妻なんだよ!というのは奈央の心の声だった。離婚したら、元妻のことが好きだと?これを頭がいかれてるというのだ!椿はため息を漏らして、悠々と言った。「時には、そう思うのだ。もし結婚していた間に、一度だけでも会いに行けたら、多分......俺たちはいまだに夫婦なんだろうなって」「ってことは、あなたが私に一目惚れしたって言いたいか」奈央はとんでもない戯れが耳に入ったような気がした。椿はそれを認めず、そして否認もせずにいた。この時の奈央の心情は複雑だった。椿の話そうという誘いに乗ってしまったことを些か後悔していた。焼肉の串刺しを噛みながら、彼女は自分の人生を嘆いた。ここで手綱を緩めるつもりはなかったので、椿は彼女に聞いた。「で、一度チャンスはくれないか」そう言われて、奈央は唇をしめた。手に取っていた牛肉の串刺しは、その瞬間でそのうまみを無くしてしまった。「ね、奈央ちゃん......」「やめて」奈央はすぐ椿をやめさせた。「そこまで親しくはないのだから」奈央ちゃんだとは、どこまでも厚かましいのだ!この宇野椿という男は!「戦場ヶ原のやろうなら大丈夫そうだけど、俺ときたらダメだってどうして?」男は少々怒っていた。彼は自分ならどう見ても戦場ヶ原のやろうより奈央とはずっと親しい関係にあったつもりだった。しかし、奈央はそうは思っていなかっ
発行たての離婚届受理証明書を手に取り、霧島奈央は市役所から出てきた。「若......霧島様」と彼女に丁寧に声をかけた執事の渡辺さんは気まずそうな顔をしていた。「霧島様に渡してくれと大旦那様が」話の続きに、彼女の目の前に一枚のキャッシュカードが差し出された。この行動の意味は、いわずもがなだった。この状況に戸惑った奈央は、一瞬うっそりしてやっと返事をした。「受け取りません。渡辺さん、私の代わりに、大旦那様に礼を申し上げてください。この二年間は大変おせわになりましたと」言い終えると、彼女は、真っすぐ道端のほうへ向かい、長く待たされていた黒いマイバッハに乗った。車に乗ってきた奈央は、車内に乗っていた二人の様子を見て、呆れ笑いをしながらこう言った。「翔兄、お兄、バツ一つつけたくらいで、ここまで緊張しちゃってて、大袈裟じゃない?」「奈央、離婚したって本当か」運転係の柊和紀は振り向いて、話のついでに彼女のほうを見た。彼の目には未だに隠しきれない疑いがあった。奈央は頷きながら、笑った声で相槌を打ってあげた。「さっき離婚届受理証明書をもらったばかり、発行たてだよ」そう言った側、彼女はバッグから白い受理証明書を取り出して、二人の目の前で揺らした。「よくぞやった!」と和紀は豪快に笑った。「もっと早く離婚したらいいのによ」「違う!最初からあんな結婚するべきじゃなかった!」前言を撤回した彼の口からこの言葉が出てきた。彼に一瞥して、奈央は何かに急かされたかのように口を利いた。「お兄、運転に集中して、婚姻の墓場から解放されて間もなく、本格的な墓場に眠らされるのはごめんだわ」「それに、離婚ってめでたいことじゃないし、何もそこまでウキウキしなくても......」彼女は遠慮なく胸の内を吐いた。寺を一軒壊しても、人の結婚を壊してはいけないって、みんながいつも言っているでしょうというのは彼女の心の声だった。彼女の感覚では、なんと二人のお兄さんは自分の離婚をずっと前から期待していたようだった。「そりゃ、ウキウキするよ」思い切り頷いた和紀は、後ろの席でずっと無口な男に目線を配った。「だってオレだけじゃなく、兄貴も相当嬉しいようだぜ」奈央からの目線を感じた大賀翔は反論せずに、首を縦に振って、話に入った。「カズの言った通りだ。最初から結婚しなかっ