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第505話 功をなすところまで行かない

晋太郎は次郎をにらみつけ、紀美子に向き直った。「なぜ彼とまだ一緒にいるの?!」

紀美子が口を開こうとしたとき、次郎が先に言った。「晋太郎、他人の自由を勝手に制限しないで」

「お前に話しているとでも思ったのか?!」晋太郎は次郎に向かって怒鳴った。

晋太郎の隣に立っていた静恵はびくっと震えた。晋太郎がこれほど怒っているのを見るのは初めてだ。

紀美子という卑怯者が彼の心の中にどれだけの場所を占めているのか。

そして次郎はなぜまた紀美子と一緒にいるのか?!

なぜこの二人の男は紀美子の側にいるのか?!

静恵の目には強い嫉妬が走った。

「私に何か説明すべきかな?」紀美子の冷たい声が皆の耳に届いた。

晋太郎の美しい顔には冷たさが満ち、歯を食いしばりながら言った。「ただ聞きたいだけさ、なぜ次郎と会う?彼がどれだけ最低なのか知らないのか?」

「あなたに関係あるの?」紀美子は冷やかし、静恵をちらりと見た。「あなたもまた、品性の悪い者を側に置いてるじゃない?」

次郎が口を挟んだ。「晋太郎、落ち着け」

「お前は死にたいのか!!」

晋太郎は怒り狂い、次郎に手を振るおうとした。

紀美子はすぐに前に出て次郎を庇った。

晋太郎は拳を思いっきり握りしめ、紀美子の顔に向けて振り下ろそうとしたが、彼女が庇おうとする動きに気づき、拳を止めた。「お前は彼を助けたいのか?!」

紀美子は恐怖を押し殺して言った。「あなたのわがままにも限度があると思わない?! あなたができるなら、他人ができないわけがないでしょう?!」

「彼がどういう男か、お前だって知っているはずだ!」晋太郎の怒りは失望と混ざり合い、拳を握りしめながら言った。

「私もあなたに言ったはずだよ」紀美子は反論した。「あなたが静恵と一緒にいるなら、息子を返すべきだと」

静恵はタイミングを見計らって前に進み出た。「紀美子、あなたは本当に馬鹿ね、念江のことを知らないの?」

「黙れ!!」晋太郎は静恵を睨みつけ、「離れろ!」

静恵はびくりと竦んで、「晋太郎、私は……」

目の前の光景を見て、次郎の目には興奮が浮かんだ。

晋太郎の怒りは彼の心を刺激し続けていた。

彼の顔に苦悩と怒りが交錯する様子を見て、彼の血が滾る思いだった!

ああ、これはどれだけ興奮する光景か!!

彼は晋太郎の怒りをもっと激しくさせなければならない
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