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第237話 それは貴重です

 「あなたは自ら住み込んできたし、それに、会社は私一人だけのものじゃないわ」入江紀美子は笑いながら冗談交じりに言った。

「なんて薄情な女なんだ!」露間朔也は言った。「そう言えば、最近会社はどうだ?」

「うまく行ってるよ、あなたがいなくてもちゃんと回れてるし」紀美子は続けて冗談を言った。

朔也「分かった分かったよ、改めて俺が君の中での位置の低さを言う必要はない!あのクズ男は最近君の所に訪ねてきてない?」

「来たわよ!」紀美子は隠さずに言った。「つい8時頃にあなたが美人を抱えてる写真を送ってきたよ」

「なんだと?!」朔也は吃驚した。「とうとうY国まで手を伸ばしてきたのか?!なら俺がこの前俺が君と付き合っていると見せかけたことは無駄だったのか?!」

紀美子「???」

それを聞いた紀美子は、この前朔也が晋太郎に言ったおかしな話を思い出した。

「今度は何かをやろうとする前に私と相談してね、暴かれたらみんなが気まずくなるじゃない」紀美子は呆れて言った。

朔也は笑顔で返事した。「ボスのご命令とあらば」

紀美子は再び朔也に笑わせられた、「もういい、そろそろ寝るよ、あなたはそちらのことに専念しといて」

翌日。

紀美子は朝っぱらから塚原悟からの電話を受けた。

「起きた?」悟は笑いながら聞いた。

紀美子は目を揉みながら、辛うじて目を開けて時間を見た。

まだ朝6時だった!何で悟はこんなに早い時間に電話をしてきた?

紀美子「あなたの電話に起こされたけど、どうかしたの?」

悟「差し支えなければ、ドアを開けてもらっていい?」

紀美子は慌てて布団を開いて窓際に行った。

カーテンを開くと、悟がきれいなバラの花束を持って下にいた。

その花束は彼が着ていた薄色のコートととても似合っていた。

「今降りるから」紀美子は急いで部屋を出た。

下に降りてドアを開けて、紀美子は悟が持っていた花束をみて彼に聞いた。「花をくれるなんて、今日は何か特別な日かな?」

悟は彼女を見つめ、冗談交じりに、「自分の誕生日を忘れるほど、相当忙しかったんだろうな」と言った。

そう言って、彼は花束を紀美子に渡した。

紀美子は今日は自分の誕生日だったのをすっかりと忘れていた。

口を開こうとしたら、彼女はふと花束の中にピンクダイアモンドのネックレスが入っていたのに気づいた。

「ロベンズ
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