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第241話 お誕生日おめでとう。

 悟と紀美子は佳世子と共に席に着いた。

 三人が話を始めようとした時、急に驚きの声が耳に入った。

 「まさか!森川社長と田中社長だ!」

 「あら!森川社長の腕に抱かれてる男の子、彼の子供?可愛い!」

 その声を聞いた紀美子の背筋が一瞬で固まり、宴会場の入り口をぼんやりと見つめた。

 黒い高級スーツを身にまとい、愛らしい男の子を抱いた男が、堂々と長い足を踏み入れてきた。

 彼の後ろには、一団のボディーガードが続き、宴会場に入るとすぐに両側に散り、厳しく門番のように立った。

 宴会場の暖かいライトが彼の気高い姿に降り注ぎ、彼の魅力を一層際立たせた。

 その冷酷な表情は、全てが近寄りがたいオーラを放っていた。

 紀美子は驚いて佳世子に視線を向けた。「あなたは彼も招待したの?」

 佳世子は遠くにいる晴を睨みつけ、怒りを込めて言った。「あの野郎が呼んだの!裏切りやがって、その借りは必ず返す!」

 紀美子は少し戸惑い、「まぁ、来ちゃったものは仕方ないわ」と答えた。

 少なくとも、彼は念江を連れて来た。念江のためなら、どんな問題も問題ではなかった。

 そう思っていたら、晋太郎と晴が彼女の前にやってきた。

 念江は晋太郎の腕から降り、紀美子の前に立ち、自分のプレゼントを差し出した。

 彼は小声で恥ずかしそうに言った。「お母さん、お誕生日おめでとう」

 紀美子は柔らかく微笑みながら受け取った。「ありがとう、いい子ね」

 晴も続けてプレゼントを差し出した。「入江さん、お誕生日おめでとう」

 紀美子は立ち上がり、ぎこちなく笑みを浮かべながらそれを受け取り、「田中社長、ありがとうございます。お気遣い感謝します」と答えた。

 晴は「どういたしまして」と返事をし、肘で晋太郎を軽く突き、彼にもプレゼントを渡すように促した。

 晋太郎は悟に冷たい視線を送り、プレゼントを差し出しながら無表情で「プレゼントだ」と言った。

 紀美子は躊躇わずそれを受け取り、「ありがとう、座ってね」と促した。

 晋太郎は念江の手を引き、無遠慮に紀美子の隣に座った。

 周囲の人々は急に言葉に詰まった。

 悟は冷静な目で晋太郎を一瞥し、それからテーブルの上の急須を手に取り、紀美子にお湯を注いだ。

 「紀美子、お湯を」

 その行動を見て、晋太郎は鼻で笑った。

 彼は突然口を
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