共有

第45話

「やっぱり柳家の面子が大きいな」

「そうだね、柳家の大宏製薬は星野市でも有数の大グループだから、柳太一のお父さんの柳三郎は交友が広くて、面子もかなりあるからね」

「今回は柳太一のおかげだよ。彼がいなければ、うちが招待状を手に入れるのは到底無理だっただろうね」

「麻衣はいい彼氏を見つけたね。本当に唐沢家の面子を保ったわ」

唐沢家の人々は柳太一に取り入ろうとし始めた。

柳太一は完全に舞い上がっており、自分の自信を誇示しながら言った。「言ったでしょ、これはほんの小さなことだって」

唐沢家の人々が招待状を手に入れた喜びに浸っているとき、江本辰也が唐沢桜子を連れて入ってきた。その後ろには唐沢梅、唐沢武、唐沢悠真、唐沢美羽たちもいた。

唐沢桜子の家族を見ると、唐沢家の人々の表情は一変して沈んだ。

唐沢麻衣が立ち上がり、冷たい声で言った。「何しに来たの?」

唐沢桜子が一声かけた。「麻衣ちゃん」

唐沢麻衣は唐沢桜子にまったく顔を立てることなく、「出て行け、誰があなたの妹よ」と突き放した。

招待状を手に入れたことで気分が良かった唐沢健介も、唐沢桜子の家族を見ると、その気分が一瞬で台無しになった。特に江本辰也には腹が立ち、彼はただの入婿であり、家主である自分を軽んじているように感じた。

「出て行け」彼は門を指差して命じた。

「おじいさん、江本辰也が戦友を頼んで西境軍から招待状を送らせたんです。家には招待状が届いているか確認しに来たんです」唐沢梅、唐沢武、唐沢悠真たちが唐沢健介に視線を集中し、答えを待っていた。

「ふふ……」唐沢健介が口を開く前に、唐沢修司が冷ややかに笑いながら言った。「江本辰也が戦友を頼んで西境軍に招待状を送らせたって?笑わせるな。実際には柳太一が出面して、柳家が動かして、西境軍から招待状を取り寄せたんだよ」

「その通り」唐沢麻衣は江本辰也を蔑んで見ながら、侮蔑の言葉を続けた。「兵士に過ぎないくせに、西境軍の上層部と接触する資格があると思ってるの?本当に恥知らず、招待状が届いたからって手柄を主張するなんて」

その言葉を聞いた江本辰也の顔が曇り、ソファに座って足を組んでいる柳太一を一瞥した。

柳太一もまた江本辰也を睨みつけながら叫んだ。「役立たず、何をジロジロ見てるんだ!」

「本当に恥知らずね」

「明らかに柳家が手配したからこそ、うち
ロックされたチャプター
この本をアプリで読み続ける

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status