第5話

その後、佐々木愛里は意図的に中村大輝に関連する投稿をSNSにアップし始めた。

同じ科の高野先生はまるでカップルを応援するファンのように興奮しながら言った、「綾子、見て見て、佐々木愛里がまたSNSに投稿したよ！

これ、中村副院長の助手席じゃない？それにこの上着！もう明らかすぎ！超甘い！」

私は一瞥し、中村大輝もその投稿に「いいね」していた。しかも一番最初に。

佐々木愛里は私からの祝福を得られず気が済まないのか、今度は院内のグループチャットに自撮り写真を投稿した。

写真には彼女が笑顔で映っていて、背後の全身鏡には中村大輝の横顔がしっかり映っていた。

写真が投稿されると、グループはすぐに騒がしくなった。

「わぁ！これって中村副院長じゃない？すごいラブラブだね！」

「まさに理想のカップルだ！」

「おめでとう！結婚式はいつかな？」

......

佐々木愛里が写真を投稿した後、わざとらしく「ごめんなさい！間違ったグループに投稿しちゃった！取り消せないの！」と言った。

「みんな見ないで、あぁぁ！恥ずかしい！」

彼女のこの芝居じみた様子を見て、冷笑しながらグループチャットでこう返事をした。「二人は本当に私たち病院の理想カップル、見合っているね」

しばらくして、父がグループで「何だこれ？」と投稿した。

院長の返信を見た佐々木愛里は耐えられなくなり、受付で泣きそうな顔をして座り込み、いかにも誰かにひどい目に遭わされたかのように見えた。

その姿を見た同僚たちは、彼女に近づいて慰め始めた。

「佐々木先生、気にしないで、院長はああいう性格で、いつも厳しいから気にしないで」

「そうそう、院長はいつもストレートに物を言う人だから、あまり気にしないで、次から気をつければいいんだよ」

中村大輝は険しい顔で私のオフィスに入ってきて、ドアを「バン」と音を立てて閉めた。

私は驚いて、何かを聞こうと思ったが、彼はすぐに私を問い詰めてきた。「お前、いつまで騒ぎ続けるつもりだ？」

私は白目を向いて、手を腰に当て、決して引き下がらずに言い返した。「中村副院長は恩師の娘を慰めに行かず、私に文句を言いに来たのか？」

彼の眉はさらに寄り、微妙に苛立ちを含んだ口調で言った。「愛里ちゃんはまだ若いから、少しミスをすることもあるだろう。お前は何で彼女にそんなに厳しくするんだ？」