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忍び寄る悪意⑤

Penulis: プリン伯爵
last update Terakhir Diperbarui: 2025-01-28 18:00:03

「さ、みんな挨拶は終わったかな?せっかくだしお寿司でも頼もうか」

「ピザもー!」

誰だ、欲望に忠実な奴は。

僕だってどちらも食べたい。

そういえばお昼御飯は食べてなかったからお腹が空いているな。

「カナタくんも遠慮しないで食べてくれよ」

「ありがとうございます」

皆が各々喋りつつ席に着いていく中、漣が近付いてきた。

「カナタくん、久しぶりだな」

「漣さんもここに住んでいたんですね」

「ああ、あれから皆と一緒にいるほうが何かと都合がいいと言われてな。

私もここに住むことにしたんだ」

漣さんは機械音痴だからな。

皆と一緒にいないとまた連絡がつかないなんて事になったらとても厄介な事になる。

何より貴重な剣聖という戦力でもある。

「そういえば、アレン団長と漣さんってどっちが強いんですか?」

「ふむ、よく聞かれる事でもあるがそうだな……恐らく本気で戦えば私が負けるだろう」

ええ!?アレンさんあんな成りして漣さんより強いのか!?

「アレン団長はあれでも殲滅王なんて呼ばれているのよ」

僕と漣さんの会話を聞いていたのか、レイさんが追加の説明をしてくれた。

「アレン団長はここにいるメンバー、いや異世界でも最強と呼ばれる3人の英雄がいるんだけれど、その内の1人だから多分誰も勝てないわ」

あんな見た目だけどね。と少しディスられつつも戦闘能力は誰もが認めるほどらしい。

殲滅王と呼ばれるくらいだからな、多分とんでもない魔法とか使うんだろうな。

「お寿司が届いたよー」

気の抜けたアレンさんの声で皆が玄関まで取りに行く。

僕も手伝おうと席を立とうとしたがレイさんに止められた。

「貴方はお客様よ、ここに居なさい」

そう言われると何も言えず、ハイと返事をして座ったまま準備が出来るまでレイさんと雑談することにした。

「そういえば聞いてみたいことがあったんですが」

「なにかしら?私でわかる範囲で答えさせてもらうわよ」

「僕も魔法って使えるようになりますか?」<
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    「紹介しようカナタ。彼女はテスタロッサ――」「待て、そこから先は私が言う」アレンさんが目の前の綺麗な女性を紹介しようとすると、その女性は手で制しズイッと僕に顔を近付けてきた。「お前……赤眼だな?」眼帯をしているはずなのに一発でバレた。これは不味いと僕が半歩後ろに下がるとテスタロッサさんは口角を上げる。「クククッ……強さの為に禁忌を犯したか。名は何という」「城ヶ崎、彼方、です」「そうか、カナタだな。覚えたぞ」どういう訳か気に入られたらしく、テスタロッサさんはウンウンと頷いていた。それにしても近くで見ると顔立ちは整っているし、ハリウッドの女優と見間違えそうだ。「それで?私に何の用だアレン。八年も音沙汰が無かったくせにいきなり現れて禁忌に触れた者を連れてくるとは」「いやぁ、それがね。魔神の討伐失敗したって伝えに来たのさ」「……なに?」おっと、いきなり空気が凍ったぞ。アレンさんの言葉にテスタロッサさんが片眉を上げた。「それはどういう事だ。お前がいるから私はこの国を守る事に徹した。逃したというのか?あれだけの戦力を引き連れておいて」「まあ……そうなるね。だから君に手を貸して欲しくて来たんだ」なるほど、それが理由だったのか。でも明らかにテスタロッサさんの機嫌が悪くなっているのはなんでなんだろう。「王の名を持ちながら奴を逃しただと!?」「想像していた以上に厄介でね。君の力を借りたい」「貸す貸さんの問題ではないだろう……魔神を放置すればいずれ世界が滅ぶ。剣聖もあのざまだと……チッ、鍛え直しが必要だな」あ、そういえば吹き飛ばされていったレオンハルトさんはどこに行ったんだ?なかなか戻って来ないけど。「それで、このカナタは有用だということか?」「まあ少なくともそこらの魔法使い

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    ダンジョンの攻略は冒険者の仕事だ。稀に出てくる宝石や価値の高い魔導具などが彼らの生活を支えている。当然収穫のない日もあるそうで、そんな日はツいていなかったとヤケ酒を煽るそうだ。「セル達がお金を稼いでくれる間にボクらはある人の所に行こうか」「ある人というのは?」「着いてからのお楽しみさ」アレンさんはそう言って不敵に笑う。誰かを紹介してくれるみたいだが一体どんな人なのだろうか。僕とアカリはアレンさんに連れられ宿り木から出ようとすると、レオンハルトさんがガチガチに装備を固め立っていた。「お待たせレオンハルト。さて、行こうか」「ふぅ……気が重いが、仕方ない」レオンハルトさんは陰鬱な表情で嫌そうに顔を背けた。これから会う人というのは誰なんだ。剣聖がそこまで装備を固め、嫌がる人物とは一体……。「カナタは心配しなくていい」「いや、そうは言われてもな……」剣聖の顔が強張っているんだぞ。会うなり剣をぶん回すような人だったらどうしようか。街を練り歩く事十分。ある大きな屋敷の前に到着するとアレンさんが門番に向かって手を挙げた。「やあ、彼女はいるかな?」「え?アレン様?は、はいおりますが……」「じゃあ入れて貰えるかな?」「も、もちろんです!……それよりもアレン様は死んだと噂が」「ああ、噂は所詮噂ってやつさ」門番は驚いた顔でアレンさんをまじまじと見つめていた。それを当人は適当に躱し、敷地内へと入った。僕な

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