彼氏と同じ日に結婚しました
彼氏が秘書にプロポーズする動画がネットで大人気となり、みんなが「ロマンチックすぎる」と感動していた。
秘書はさらに、「やっと待ち続けた甲斐があった。如月社長、これからの人生よろしくお願いします」と投稿し、多くのコメントが寄せられた。
「最高!秘書と社長、このカップル甘すぎる!」なんて声もあふれていた。
私は泣くでもなく、怒るでもなく、静かにそのページを閉じ、彼に真実を問いただそうとした。
すると、彼が友人と話している声が聞こえてきた。
「仕方ないだろう。彼女を娶らなきゃ、実家に無理やり愛してもいない男と結婚させられるんだ」
「じゃあ高橋は?彼女こそ本命だろ。怒らせたらどうする?」
「怒ったところで何だって言うんだ。奈月(なつき)は俺と七年も一緒にいる。離れられるわけがないさ」
それから、私は彼と同じ日に結婚した。
婚礼の車がすれ違い、新婦同士がブーケを交換する瞬間、彼が私を目にしたとき――完全に取り乱していた。